執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
企業がSDGsを掲げることで、不足しているものが可視化され、課題を解決できる自社の潜在能力に気づくことができるようになります。それぞれの企業でSDGsをうまく活用することで強みを見出す事ができます。目 次
1SDGs(エスディージーズ)って何?
最近、よく聞くフレーズ『SDGs(エスディージーズ)』。
メディアなどでも頻繁に取り上げられるようになりました。
アルファベットの頭文字をくっつけた横文字ですが、なんとなく理解できても、「いったい、企業活動にどのように関係するの?」とピンと来ない方も多くいらっしゃるのでは無いかと思います。
正直私も、「説明してみなさい」と言われても、うまく説明できるか自信がありません。
そこで、まずはSDGs(エスディージーズ)のイロハを学ぶため、外務省が発信している活用ガイドを読み込んで見ようと思います。その内容を、簡単に要約してみますので、ぜひご参考ください。
2企業にとってのSDGsの意義
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、英文にした時の、それぞれの頭文字をとった造語です。
2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標がかかげられており、17のゴール・169のターゲットから構成されています。
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓い、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものとされています。
外務省のサイトに『持続可能な開発目標(SDGs)の活用ガイド(環境省作成)』が公開されていますので、ご興味ある方は、ぜひ原本を読んでいただければと思います。
持続可能な開発目標(SDGs)の活用ガイド(環境省作成)
せっかくなので、この資料を元に、押さえておきたい大切な要点を少し簡潔にまとめていくことにしましょう。
まず最初に、なぜ今、SDGs(エスディージーズ)なのか?という大前提についてです。
昨今のパリ協定の採択やESG投資の拡大などにより、世界の潮流に変化がおきています。日本においても例外ではなく、今こそ『社会課題解決できる新しいプレーヤーとしての企業』が注目されています。すでに大企業や自治体などでは、社会課題解決に向けた戦略的な取組が次々と創設されはじめており、一般企業も必然的に、その渦中に引き込まれている現状があります。
そして、そのマーケットの規模です。
2030年までに理想とされる未来像に向け、現在とのギャップを埋めるためには、必然的にイノベーションが必要となります。SDGs(エスディージーズ)を掲げることで、不足しているものが可視化されるため、世界には巨大なマーケットがあると言われています。17のゴール・169のターゲットを一つひとつ見ていくと、今世界に足りないマーケットが浮き上がってくるということですね。
資料によると、SDGs(エスディージーズ)によりもたらされる市場機会の価値は年間12兆ドルと試算されています。それにより、世界に創出される雇用は約3億8000万人だそうです。
すごいマーケットになりますね。
そこで、それぞれの企業では、2030年の自社の姿をイメージしてみる必要があるということです。それまでに企業を存続させるためには何にシフトをしていく必要があるのかを考えるきっかけになり、それに向かって取り組み始めるモチベーションにもなります。
3これからの企業とSDGs(エスディージーズ)
私たち一般企業は、これまで、顧客となる消費者のためや地域社会のため、そして生活環境の維持のために求められる製品やサービスを提供してきた経緯があります。これらが求めるものを生み出し、販売してきました。
しかし、時代の移り変わりにより、それが変化していく必要があります。
より、社会のために必要とされるものにフォーカスを当てざるを得ないのです。それらにより、これまでと同じ方法でビジネスしていくことへの課題を抱える企業も増えています。必然的に、企業が長期間にわたり事業を継続し発展していくためは、社会のニーズを重視した経営と事業展開が必要になります。
その1つのツールとして、SDGs(エスディージーズ)が注目され始めているのです。
そして、SDGs(エスディージーズ)の根幹である『持続可能な開発』とは、将来世代のニーズを損なわずに現代世代のニーズを満たす開発のことを指します。SDGs(エスディージーズ)には、あらゆる分野における社会の課題と⻑期的な視点でのニーズがつまっています。
4SDGs(エスディージーズ)による企業へのメリット
それでは最後に、SDGs(エスディージーズ)をかかげることで、一般企業にどんなメリットをもたらすかについて調べていきます、外務省の資料には、大きく4つのメリットに分けられています。
1.企業イメージを向上させる
SDGs(エスディージーズ)への取組をウェブサイトなどを通じてPRすることで、「この会社は信用できる」「この会社で働いてみたい」というポジティブな印象を与えることができます。それらにより、人材確保にもプラスの効果をもたらします。
2.社会の課題への対応
SDGs(エスディージーズ)の17のゴールには、社会が抱えている様々な課題が網羅されています。これらの課題への対応は、経営リスクを回避し、社会への貢献や地域での信頼獲得にもつながります。
3.生存戦略
今後はSDGs(エスディージーズ)への対応が、ビジネスにおける取引条件になる可能性があります。持続可能な経営を行う戦略として活用できます。
4.新たな事業機会の創出
SDGs(エスディージーズ)の取組をきっかけに、地域との連携や新しい取引先、事業パートナーの獲得、新たな事業の創出など、今までになかったイノベーションやパートナーシップを生むことにつながります。
なによりも、SDGs(エスディージーズ)の17のゴール・169のターゲットをみつめることで、自社の取組とのつながりに気づくことが大切であるということです。
そこから、自社の強みを再認識し、SDGs(エスディージーズ)に示された課題を解決できる自社の潜在能力に気づくことができるようになります。
持続可能な会社にするためには、未来を見据えたニーズも満たすような事業展開を構築することが最大の目的のようです。SDGs(エスディージーズ)を掲げた企業経営により、持続可能な企業へと発展していくことを目的としていますので、ぜひ、それぞれの企業で考えてみてはいかがでしょうか?
SDGs の 17 のゴールと 169 のターゲット