

執筆者:後藤ようこ
データがあるので安くなりますか?
- 2016年09月04日
- 販促Q&A
Answer.
まず、『データがある』というのは、どういう状況であるか確認が必要です。
カタログやパンフレット作製の現場では、『データ』=『印刷データ』という発想をします。
印刷データというのは、いわば、入稿データです。
そのまま、印刷会社さんに持っていけば、なんの問題もなく印刷ができるデータのことで、主に、イラストレーターデータなどを指します。
厳密に言えば、他にもいくつかデータ形式はありますが、多く使用されるデータ形式がイラストレータデータです。(WordやPower pointなどについては改めて説明します。)
よって、お客様がお持ちのデータは、どんな形式のデータであるかを確認する必要があります。
PDFデータ
よくあるのは、『PDFデータがある』というケースです。
PDFデータというのは、厳密に言うと圧縮されたデータです。データ容量も軽く、特殊なアプリケーションを不要とし、アクロバットリーダーが入っているパソコンであれば、誰でも開くことができます。よって、データの授受が非常に便利です。
しかし、この圧縮された軽いPDFデータでは印刷はできません。よって、PDFデータは、デザインする時の参考にはなりますが、価格が安くなるほどの条件には、当てはまらないと考えるのが常識です。
(ただし、印刷をかけられる高解像度のPDFは除外。その場合でも、印刷にかけられるようにトンボ付きのデータになっていることが原則)
印刷原本
もうひとつ、お客様が勘違いされるのが、印刷された原本があるというケース。
これは、すでに印刷されている紙媒体なので、それをそのまま増刷することはできません。
全く同じものを増刷するにしても、同じ状態になるように、印刷データ化する必要があります。
この場合も、デザインの参考にはなりますが、価格が安くなる条件には当てはまらないのが常識と言えます。
イラストレータデータ
最後に、印刷にかけられる状態のイラストレーターデータがある場合。
これは、価格を安くすることが可能な条件に当てはまるでしょう。
基本的なデータは完成されていて、一部を修正すれば良いという解釈になります。
この場合は、デザイン会社さんに、そのデータを見てもらい、コストカット可能かどうかを判断してもらえます。
この時、注意した方が良いのが、イラストレーターのバージョンと、フォント(文字)がアウトライン化されているかどうか?ということです。フォントがアウトライン化されていないと、同じフォントを持っていないパソコンで開いてしまうと文字化けを起こします。
印刷データをバックアップで管理する場合は、フォント(文字)のアウトライン化されたものと、アウトライン化されていないもの、2種類を保管しておくとよいです。製作時に、クリエイターさんに依頼して、用意してもらうといいでしょう。