

執筆者:後藤ようこ
パンフレット制作【保存版】パンフレットデザインの始め方|初心者が最初に読むべき7つのステップ
- 2025年06月09日
- ノウハウ

執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
パンフレットやカタログをつくりたいけど、何から始めればいいか分からない…そんな初心者の方に向けて、目的設定から構成の考え方、進め方のポイントまで、7つのステップでやさしく解説。目 次
1パンフレットをつくりたい。でも、何から始めればいいのかわからない
「パンフレットをつくりたい。でも、何から始めればいいのかわからない」ーー
そんな声を、私たちはこれまでに何度も耳にしてきました。
会社案内パンフレットやサービス紹介パンフレットなど、会社のパンフは“会社の顔”となる大切なツールです。ときに営業マン以上の説得力を持ち、信頼を築く大きな武器にもなります。
でも、いざ作ろうとすると——
手探りのまま進めるうちに、途中で行き詰まってしまう…そんな方も少なくありません。
この記事では、パンフレット制作が初めての方でも迷わず進められるよう、7つのステップに分けてやさしく解説します。
専門知識がなくても大丈夫。
まずは“考えるべきこと”から、順を追って一緒に整理していきましょう。
2目的とターゲット設定の大切さ
パンフレットづくりの第一歩は、「なぜパンフレットを作るのか?」という目的をはっきりさせることです。
たとえば――
すべて似ているようにみえますが、上記のような目的によって、載せるべき情報も、デザインの雰囲気も大きく変わってきます。
目的がぼんやりしたまま進めてしまうと、情報が散らばって「結局なにを伝えたかったのか分からない」という状態に陥りがちです。
もうひとつ大切なのが、「誰に読んでもらいたいのか?」というターゲットの設定です。
たとえば、同じ美容サービスの紹介でも、20代の女性に向けたパンフレットと、40代男性向けでは伝える言葉も写真の雰囲気もまったく変わりますよね。
この2つが明確になることで、パンフレットの内容に芯が通り、読む人の心に届く“伝わるデザイン”がつくれるようになります。などなど、意外と素材はたくさんあるものです。
ただし、ここで注意したいのが「情報の詰め込みすぎ」。
パンフレットに載せられる情報量には限りがあります。
全部盛り込みたくなる気持ちはわかりますが、読んでもらうことがゴールである以上、情報が多すぎると、かえって読まれなくなってしまいます。
大切なのは、「何を伝えるか」だけでなく、「あえて何を伝えないか」を決めること。
3載せる情報をリストアップして整理しよう
目的とターゲットがはっきりしたら、次は「載せたい情報」を洗い出してみるステップです。
といっても、最初から完璧に整理する必要はありません。
まずは思いつくまま、箇条書きでOKです。
たとえば――
などなど、意外と素材はたくさんあるものです。
ただし、ここで注意したいのが「情報の詰め込みすぎ」。
パンフレットに載せられる情報量には限りがあります。
全部盛り込みたくなる気持ちはわかりますが、読んでもらうことがゴールである以上、情報が多すぎると、かえって読まれなくなってしまいます。
大切なのは、「何を伝えるか」だけでなく、「あえて何を伝えないか」を決めること。
たとえば──
おすすめは、「5つしか伝えられないとしたら何を選ぶか?」と自分に問いかけてみること。
そうすることで、情報の優先順位が自然と見えてきます。
載せたい情報をリストアップしたら、優先度をつけていきましょう。
4ざっくり構成とページ数を決めてみよう
載せたい情報がある程度そろったら、次はパンフレット全体の構成やページ数をざっくり考えてみましょう。
とはいえ、いきなり難しく考える必要はありません。
「この順番で見てもらえたら自然かな」
「ここには写真を入れたいな」
といったラフなメモレベルでOKです。
たとえば、こんなイメージです:
ページの流れを軽く書き出してみるだけで、パンフレットの骨格が見えてきます。
あわせて、「このページにはこの写真を使いたい」「この見出しは目立たせたい」など、イメージをメモしておくと、後の制作がとてもスムーズになります。
そして、ここで意外と忘れがちなのが紙のサイズ感。
パソコンやスマホの画面上では、つい情報を詰め込みすぎてしまいがちですが、実際のA4サイズの紙は想像以上にスペースが限られています。「ここにこれも入れて…」と思っていたのに、印刷してみたらギチギチで読みづらい、ということも。
おすすめは、A4用紙を1枚、手元に置いてみること。
構成を手描きでざっくり配置してみると、実寸サイズでのバランス感がつかめて、より現実的な設計ができるようになります。
パンフレットは“読むもの”であると同時に“見るもの”。
無理に詰め込まず、余白も含めて「伝わる構成」を意識してみてくださいね。
コラム:印刷物に適した文字サイズとは(サイズ、色、書体、配置)
コラム:知らないと失敗する!パンフレットに入る文字量を知ろう。
5一度立ち止まって「予算」と「スケジュール」を確認しよう
構成が見えてきたら、少し立ち止まって、「予算」と「スケジュール」も一緒に確認しておきましょう。
このステップを飛ばしてしまうと、あとから「こんなはずじゃなかった…」とバタバタしてしまう原因になります。
チェックしておきたいのは、たとえば次のようなポイントです。
ここをあらかじめ整理しておくことで、制作の進め方や予算感に無理がなくなり、見通しよくスムーズに進めることができます。
実際には、「来週のイベントにどうしても間に合わせたいんです…!」というような緊急のご相談も少なくありません。そんなときに役立つのが、テンプレートを使った時短制作や、オンラインでのスピーディなやりとりです。
もちろん余裕を持ったスケジュールが理想ですが、現実はそうもいかないこともありますよね。
だからこそ、このタイミングで一度ゴールの時期と必要な手段をしっかり把握しておくことが、成功のカギになります。
制作のポイント
パンフレットやカタログ制作には最低でも1ヶ月必要です。短くても完成できますが、時間が足りないことで、妥協せざるを得ない事態も発生します。少し余裕があるくらいで制作するほうがミスや失敗が少ないです。
6デザインの希望は「なんとなく」でも伝えてOK!
いよいよパンフレットのデザインを考える段階になったら、「どんな雰囲気にしたいか?」をざっくりでもいいので言葉にしてみましょう。
たとえばーー
こうした抽象的な表現でも、デザイナーにとってはとても重要なヒントになります。
実際のデザインでは、色づかいや写真の雰囲気、文字の配置、余白の取り方などで全体の印象がガラッと変わるため、どんなイメージを思い描いているのか、少しでも共有できると、仕上がりの精度がぐんと上がります。
「イメージが湧かない…」そんなときは?
「正直、どんなデザインがいいのかよく分からない…」という方も多いはず。
そんなときは、ネット検索で参考イメージを集めるのがおすすめです。
たとえば、Google画像検索やPinterestなどで、
「会社案内 パンフレット 高級感」
「美容 カタログ シンプル」
「医院 チラシ 清潔感」など
業種+キーワードで探すと、自分のイメージに近いデザインがきっと見つかります。
その中から「これ好きかも」と思ったものをいくつかピックアップしておけば、デザイナーにイメージを伝えるときにも非常に役立ちます。
一緒にまとめておきたい素材
イメージの共有に加えて、以下のような具体的な素材もできるだけ早い段階で準備しておくとスムーズです。
これらをあらかじめまとめておくだけで、打ち合わせややりとりの時間が短縮され、仕上がりもより理想に近づきます。
パンフレットは「見た目」で印象を伝えるツールです。
だからこそ、「なんとなくこういう雰囲気が好き」という気持ちを遠慮せずに、気軽に伝えてみてくださいね。
7自分でつくる?プロに頼む?その判断ポイント
パンフレットづくりにおいて、「自分で作るべきか?プロに頼むべきか?」というのは多くの人が悩むポイントです。
最近では、Canvaなどの無料テンプレートサービスが充実していて、デザインに詳しくなくても「とりあえず試してみる」ことのハードルはかなり下がっています。「自分でなんとかできそう」と思う方も多いかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
実際にやってみると、
など、想像以上に「体力と時間を使う作業」だと気づく方がほとんどです。
しかも、どれだけ中身がしっかりしていても、見た目が素人っぽいと信頼感に影響してしまうことも。
特に営業ツールや会社案内として使う場合、「この会社、大丈夫かな?」という印象につながりかねません。
一方で、「いきなりプロに頼むのはちょっと不安…」という方へ
制作会社に依頼すると、やはりそれなりの費用がかかります。
はじめての場合、「そもそも何をお願いすればいいのか分からない」という不安もありますよね。
そんなときは、いきなり全部を丸投げするのではなく、まずは自分で簡単なラフ案(構成やイメージ)をつくってみる。それをベースに、必要に応じてプロに相談してみるという“段階的な進め方”もおすすめです。
どちらが正解、というより「どこに時間と労力を使いたいか」パンフレットは、「作ること」がゴールではなく、「使えるものにすること」が目的です。時間やスキルが限られているなら、プロの力を借りる方が効率的。予算を抑えたいなら、まずは自作からスタートしてみる。
というように、自分の状況に合わせて判断することが大切です。
「全部自分で」か「全部プロに」ではなく、その中間のグラデーションもある。それを知っておくだけで、ずっと気が楽になるはずです。
8無理せず“プロの手”を借りるという選択肢も
「思ったより作業量が多い…」
「デザインに時間がかかって、他の仕事が進まない…」
そんなふうに感じたら、無理せず“プロの手”を借りることも、立派な選択肢のひとつです。
最近では、既存のテンプレートをベースにプロが仕上げてくれるリーズナブルな制作サービスや、最初のヒアリングから一緒に伴走してくれる相談型の制作会社も増えています。
自作で気づいた「モヤモヤ」は、実はヒントになる
…という声は少なくありません。
でも、こうした“モヤモヤ”こそが、プロにとっては貴重なヒントになります。
自作のラフ案や下書きがあることで、プロは「何を伝えたいのか」「どこが課題なのか」をより正確に把握し、伝わる構成や魅力的なデザインへとブラッシュアップすることができるのです。
「ゼロからすべてお任せ」でなくても大丈夫
「プロに頼む=全部丸投げしなきゃいけない」と思われがちですが、そんなことはありません。
むしろ、“自分の中にあるイメージや想い”さえ整理できていれば、それをかたちにするのがプロの仕事です。
この3つのうち、ひとつでも整理できていれば、あとはプロがうまく仕上げてくれます。
結果的に、コストも時間もお得になることも
遠回りせず、最短ルートで完成度の高いパンフレットを作るには、プロの力を部分的に借りることで、結果としてコストパフォーマンスが良くなることも少なくありません。
そんな成果を感じられるはずです。
無理してすべて一人で背負わなくても大丈夫。
「ちょっと手が足りないな」「誰かに相談したいな」と思ったら、気軽にプロに頼ってみてくださいね。
「何から手をつければいいか分からなくて…」
「とにかく一度相談したくて…」
という方からのご相談が日々届いています。
はじめてのパンフレット制作でも、ご安心ください。
テンプレートを活用したスムーズな進行や、用途に合わせたアドバイスなど、
“考えるところ”から“仕上げるところ”まで、どの段階からでもしっかりサポートさせていただきます。
「これでいいのかな?」と迷ったときは、どうぞ気軽にご相談ください。
パンフレットづくりが、もっとラクに、もっとたのしくなるお手伝いができれば嬉しいです。