株式会社ノーブランド株式会社ノーブランド印刷物デザイン・WEBデザイン

NETA

宣伝のネタ帳

後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

Q&A印刷物に適した文字サイズとは(サイズ、色、書体、配置)

<記事の概要>

パンフレット・カタログ制作の際、『誌面にどれくらいの文字量が入りますか?』という質問をいただくことがあります。印刷に適した文字サイズ・文字量について解説しました。

1印刷物で使う文字についての基本

こんなお悩みはありませんか?

◉パンフレットやカタログを作る際、どれくらい文字が入るかわからない
◉パンフレットやカタログの適切な文字サイズがわからない
◉どれくらいの文字量が入るかわからないので、原稿がつくれない


当社は、約27年間にわたり、パンフレットやカタログ制作を専門として業務を行ってきました。お付き合いした顧客の数は数千社に及びます。(弊社の実績は、お客様の感想をまとめた『リアルな声』を御覧ください。生の声をそのままアップしています。別ウィンドウで開きます。)

そんな中、パンフレットやカタログなどを作成する際に、誌面にどれくらいの文字量が入るのか教えて欲しい?という質問をいただくことがあります。

たしかに、限られた誌面の中に、どれくらいの文字量が入るのかイメージしずらいと思います。

それに比べて、ホームページは違います。
どんなに文字を入れても、ユーザーはスクロールしながらページの内容をすべて閲覧できます。ホームページと紙の印刷物では、この部分が圧倒的に異なります。

つまり、紙の印刷物は誌面に限りがあるのという点がポイントです。
A4サイズならA4サイズの誌面内に、B5サイズならB5サイズの誌面に、必要な情報を入れなければなりません。

あれもこれも入れたいからと、たくさんの文字を入れてしまうと、文字サイズを小さくしなければならなくなります。極端に小さい文字は読みにくいばかりでなく、印刷時につぶれてしまい、読めなくなります。そうなると、再印刷を余儀なくされるなど、一つ間違えば大きな損害につながります。

印刷物の文章は、限られた誌面に何を入れて何を省くかの取捨選択が必要です。


このブログでは、印刷物ではどのように文字量を調整すれば良いかについて解説します。明日から使える役立つ情報ですので、最後までお読みください。

なお、文中では、実際の誌面に何文字くらいはいるか数値で解説しています。
ぜひ、ブックマークして日常の原稿作成にお使いください。

2印刷物で推奨される文字の大きさ

カタログ・パンフレットなどの印刷物では、推奨される文字サイズというものがあります。
まずは、文字の大きさについて説明します。(業界用語では文字サイズの事を「フォントサイズ」とも言います。)

もっとも一般的なサイズであるA4サイズの印刷物では、文字サイズは9pt~12ptが最も読みやすいとされています。ただし、周辺のコンテンツとのバランスや、文字量によって見栄えが変わってきますので、絶対的なルールではありません。

逆に、使ってはいけないサイズがあります。

5pt以下の文字は多用してはいけません。
画数の多い漢字や色によっては文字が潰れてしまうリスクがあります。
特別な理由がない限り、弊社では多用しません。


また、書体(フォント)の種類も配慮が必要です。
例えば、ゴシック体と明朝体では見え方が違います。

比較的、明朝体のほうが小さな文字であっても識別しやすいと言われています。そのため、新聞の記事部分は明朝体で作られます。老若男女問わず、読みやすいように明朝体を採用しています。漢字を使う日本人にとっては、明朝体の方が読みやすいという感覚があるのだと思います

ぜひ、印刷物制作時の参考にしてください。

ゴシック体と明朝体の違い

印刷に適した文字サイズ


実際の文字サイズを確認してみてください。確認用のPDFを作成しました。下記のPDFをダウンロードして、原寸でプリントアウトしてみてください。そうすると、実際の文字サイズの感覚がわかるかと思います。

文字サイズサンプル(ダウンロード)
注意:必ず原寸でプリントしてください。

3印刷物で推奨される文字の色

文字サイズと同様に重要なのが、文字の色です。

文字色についても覚えておいた方がよいポイントが沢山あります。
印刷物の文字はサイズだけでなく、色の濃淡も読みやすさに影響します。

一般的に、印刷物の文字の色は黒(K)100%で表現することが多いです。しかし時折、デザイン性を考慮し黒のトーンを少し落とした文字色で文字を表現する場合があります。いわば、濃いグレーですね。

その場合でも、極端にトーンを薄くしてしまうと読みにくくなります。
下記は、黒100%、50%、20%で表現した文字の見え方です。どれくらい違うのか確認してみてください。

文字のトーンで見え方が変わる

印刷に適した文字サイズ


文字の色は、きちんと読んでもらうために最大限工夫する必要があります。

しかし、読みやすさだけにこだわって、黒100%文字だけでデザインすると、重たいデザインになってしまいますので、デザイナーさんとコミュニケーションをとりながら相談していきましょう。

デザイン性が感じられながらも、読みやすい文字色にするよう工夫してみて下さい。

4印刷物に掲載する文字量について

次に、文字量についてご説明します。
カタログ・パンフレット掲載する文字量は、読みやすい文字サイズを保つことを最優先にして、誌面に入れる文字量を調整します。

例えば、A4サイズの三折リーフレットの場合、下記のような文字量が一般的になります。
十分な情報量が盛り込まれたリーフレットでありながら、文字サイズも読みやすいサイズに収まり、適度な余白もあります。

A4サイズのリーフレットの文字量めやす

印刷に適した文字サイズ

ちなみに、上記の赤枠内の文字の量(350文字)は、9pt(ポイント)で配置しています。このエリアに配置すると、約300〜350文字程度になります。この文字量を参考にして文字量の調整をしてみてください。

文字をギュウギュウに詰め込むと、逆に読みにくくなります。これだと、ちゃんと読んでもらえなくなってしまいます。

商用のカタログ・パンフレットは文章をしっかり読んでいただくことが重要です。
そのためにも、適切な文字量・文字間・行間が必要ですのでご注意ください。

ユニバーサルデザイン

ただし、上記は一般論での基準になります。

日本国内には、様々なハンディキャップを持つ人や、高齢者、様々な人種が存在します。
このような方々にも、読みやすく理解しやすい印刷物を作るためには、さらに配慮しなければならないポイントがあります。

高齢者向けの印刷物なら、少し大きめのサイズにする必要がありますし、色覚異常を持つ人のためには色合いの工夫も必要になります。

印刷物における、これらの配慮を加味したデザインの事を『ユニバーサルデザイン』と言います。ユニバーサルデザインに配慮する必要がある場合は、さらに繊細な配慮が必要になりますので、予め、その旨をデザイナーに伝えて制作してもらいましょう。

『ユニバーサルデザイン』については、別のブログで詳しくまとめていますので、ぜひお読みください。

ユニバーサルデザインをご希望される場合は、弊社ではUD検定(※1)に合格したデザイナーが制作させていただきます。制作物のご用途やユーザーの傾向をお伺いし、文章や図の効果的な使い方、色の組み合わせ、書体の選定など、ユニバーサルデザインにそったアドバイスをさせていただき制作をいたします。お気軽にご相談ください。

※1) UD検定・初級 認定番号 第000960号 国際ユニヴァーサルデザイン協議会【IAUD】
https://www.iaud.net/

5印刷物の文字の配置

印刷物を作成する際に、重要なポイントとして文字の配置があります

盛り込みたい文章が沢山あるからといって、誌面いっぱいに文字を入れ込むと、読みにくくなります。

文字はいくつかのボックスで配置し、適宜、イラストやイメージ画像を配置することが大切です。文字ばかりの印刷物は、だれも読む気がしないでしょう。まるで学術書を読んでいる気がしてしまいます。

商用のパンフレット・カタログは、十分な余白をいれながら文字を配置します。

また、すべて同じ大きさの文字サイズで揃えるのではなく、大見出し、中見出し、小見出しと言った具合に文字のサイズを変えて、メリハリのある文字使いを心がけましょう。

印刷物のデザインにおいては、文字のスタイル選びや配置もデザインの中に含まれます。プロのデザイナーとノンプロでは、文字の扱い方に大きな違いがでますのでデザイナー選びの指標にしてください。

6さらに詳しく知りたい方へ

印刷物の文字サイズや文字量については、こちらのコラムでも詳しく解説しています。あわせてお読みください。

知らないと失敗する!パンフレットに入る文字量を知ろう。

後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

後藤 ようこ取締役副社長

スキル

  • ランディング(執筆)
  • ディレクション
  • コンサルティング

大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。

TEL MAIL