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宣伝のネタ帳

後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

見積もり集めのコツ『相見積もりで価格の安い業者さんを選ぶ』は、 交渉としてすでに負け。

<記事の概要>

カタログやパンフレット制作を依頼する業者選択時、見積もり収集時の交渉術や相見積もり時に注意しなければならない12ポイントをまとめました。

1相見積もりをとるのは難しいのです

*本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

こんなお悩みはありませんか?

  • カタログ制作を依頼できる制作会社さんを探せと上司に言われたが、どうしたらよいのか。
  • パンフレットの制作業者さんを相見積もりで探したいが、よくわからない
  • 相見積もりで見積もりを集めたが、金額がバラバラで・・・
  • よい制作会社さんは相見積もりで見極められるのか心配・・・

ポイント当社は、約27年間にわたり、パンフレットやカタログのデザイン制作を専門として業務を行ってきました。お付き合いした顧客の数は数千社に及びます。(弊社の実績は、お客様の感想をまとめた『リアルな声』を御覧ください。生の声をそのままアップしています。別ウィンドウで開きます。)

みなさんは、こんな経験をしたことは無いですか?
会社のパンフレットやカタログを作成する時の業者さん選びは、本当に難しいですよね。

上司に『相見積もりで業者を探しておいて!』と上司に言われたものの、どうやって、安くてよい業者さんを選べばいいのか。難しくて当たり前です。いざ選んだ会社さんと馬が合わなくて頓挫したらどうしよう・・・。不安な気持ちになったりしませんか?

デザインや印刷に関することは、餅は餅屋に聞いたほうが良いことがあります。
ここからは、デザインや印刷物のプロとして27年間、この業界で仕事をしてきた弊社が、皆さんの苦労を少しでも軽くできるような知識をお伝えしたいと思います。弊社にデザインを依頼してくださいという事ではありません。フラットな立場で皆さんにお伝えしたいと思っています。

この記事を読んだあとは、少し気持ちが軽くなるかもしれません。必ず、皆様のお役に立つと思います。
以下に、失敗しない業者選びのポイントを解説をしますので、ぜひお読みください。


当社には、毎日、カタログやパンフレット制作の見積り依頼がたくさん寄せられます。

そんな中、時折、『相見積もりで見積もりを集めているので、価格が高ければ他の業者さんを選ぶと思うので、できるだけ安くしてください。』と言われる事があります。

相見積もりとは

複数の制作業者に同じ内容の見積もりを依頼することで、費用やサービス内容を比較する手段です。

これは昔からある見積もり収集方法ですが、少し注意が必要であることを知っていましたか?

なぜなら、相見積もりとは、『同じ内容の見積もりを依頼する』ことで初めて、費用とサービスの比較ができるやり方だからです。少しでも条件が違っていたら、違う見積書が出てきます。

ここからは、カタログやパンフレット制作の相見積もりをとる際に、注意したほうが良いことと、役立つ情報を解説してきます。

2金額だけで比較すると失敗します

カタログやパンフレット作成は、そのほとんどが『オーダーメイド』の制作です。

例外として、テンプレートデザインにはめこんで制作するスタイルもありますが(決まったデザイン雛形で作るパターン)、それ以外は、ほぼ『オーダーメイド』ではないですか?(弊社でもテンプレートデザインを用意しています。こちら

そのため、制作会社が異なれば、仕上がりが異なるのは当たり前で、クリエイティブに関わる人材の数や実力、実績もそれぞれ異なります。

フリーランスのデザイナーに依頼すれば、多くは一人で全てをこなすでしょう。
大手広告代理店に依頼すれば、プロデューサーやディレクター、デザイナー、コピーライター、アシスタント、営業マン、カメラマンなど、大人数でプロジェクトを請け負う事でしょう。

カタログやパンフレットデザインの制作現場では、それぞれの制作業者さんのスタイルによって、やり方や提案の仕方が大きく異なるのです。
まずは、これを踏まえて見積もりを集める必要があります。

ですから、各社から出された見積内容をきちんと精査してから金額を比較しないと、正しく比較したことにはならないのです。

(金額の)数字だけ見て比較しただけでは、比較したことにはなりません。

こっちの会社が10,000円安い、という感覚で比べると、後で大きな失敗をすることになりますので注意してください。

デザインとは既製品ではありませんので、最終的にどんなクリエイティブ(品質)に出来上がるかわかりません。デザイナーの得意・不得意や、デザイナーの経験値でも大きく差が出たりします。

特に、デザイナーの経験値は、どの品質に大きく関与します。

それなのに、『相見積もりで、他の業者が安かったら、そちらを選ぶ』という選択では、結果的に失敗するリスクが高まるばかりです。

ノーブランドメモ

弊社のクリエイティブデザイナーは、15年以上の経験値をもっています。商用デザインなら、なんでもお任せ!というデザイナーばかりで構成しています。

3“相見積もりなので安くして”がダメな理由

当社も含め、世の中には沢山の制作業者さんが存在します。
どこの制作会社も暴利にお金を儲けようとは思っていないでしょう。

長く続くデフレ経済の中で、かつてのバブル期でもあるまいし、現在の日本企業は湯水のように販促・広告費を使う事をしなくなりました。

それを肌で体感している(我々のような)制作会社は、できるだけ安く、そして自分たちの利益も考慮したうえで金額を提示していると思います。

ですから、『暴利をむさぼる悪徳制作業者には依頼したくない』みたいな考え方は、当てはまらないと思っています。(悪徳とは、少々言い過ぎています。すみません)

それでは、一体そうすればいいの?と混乱しますよね。

ここからは、メインテーマである『相見積もりで見積もりを集めているので、価格が高ければ他の業者さんを選ぶと思うので、できるだけ安くしてください。』という交渉が、その時点で負けてしまっている理由について解説していきましょう。


制作業者側が適正価格で見積もりを出そうとしても、金額だけ見られて比較されるのであれば、こう考えてしまいます。

『できるだけ見積額を低く見せよう』と。

例えば、

  • 『安くしてほしい』のなら、色んな所を削りましょう。
  • マンパワーもそんなにかけるのをやめましょう。
  • クリエイターも経験の浅いスタッフを使いましょう。
  • 必要なオプション作業もカットしましょう。
  • 印刷も安価な印刷会社で印刷してもらいましょう。
  • 制作期間も長くしましょう。

つまり、こうなってしまうと、安くしてもらったのではなく、それなりのものを安く買っただけということになります。よって、この言葉での交渉はよくないのです。

クリエイティブ(品質)にこだわって制作している業者さんであればあるほど、この言葉で交渉されると、『当社は、自信を持って良い品質のものを安く提供していますから、安いだけで選ぶなら他探して下さい』と思うかもしれません。

安くできないなら候補に入れないよ・・・と思った皆さん!
そう思う気持ちを、少し立ち止まって考えてみませんか?

もしかしたら、安くて良いデザインを作ってくれる業者さんが候補から外れてしまっているかもしれません。

何度も繰り返しますが、制作会社は暴利を貪ろうとは思っていないはずです。

適正価格で良いものを、リーズナブルに提供したいと思っているはずです。そして、1件でも多くお客様としてお付き合いしたいとも思っています。

逆に、こういう制作会社さんこそ良い会社さんが多いはずです。そんな良い出会いを手放してしまったかもしれません。

もしも、このような思いで仕事をしていない制作業者さんがいて、『高額な見積もりをふっかけよう』と企んでいるようであれば、この長いデフレ時代を生き残っていけません。

4実際にあった、こんな失敗

そういえば、過去にこんなことがありました。

お見積書を提示した先のお客様に、弊社が提示したお見積り内容が高いので、『なぜ高いのか教えてほしい』と質問されました。他社の見積もり額を見ると、たしかに印刷料金に大きな差がありました。

しかし、他社の印刷料金はスクリーン線数の低い『格安印刷』だったことが判明。
そのお客様はアパレル系だったので、カタログに表示される商品の色をあわせるためにも、スクリーン線数の高い高品質印刷が必須と考え、そのように提案していたので、金額差が出ていたことがわかりました。

※スクリーン線数については、用語集でご確認ください。(別ウィンドウで開きます)

さらに、弊社の見積書には、本番印刷前に色の確認をするための本機校正も含まれていたので、さらに印刷料金が高く感じられたようです。

しかし、業種によっては格安印刷では問題が生じる場合があります。
そのため、本番印刷前の本機校正をいれたほうが良いケースがあるのです。

大切な工程を削ったばかりに、結果、失敗して再印刷になってしまった・・・・。こういう事例は、珍しいことはなく、結構ありふれた失敗事例です。

これを先回りして提案した見積金額が、高いと感じられたようでした。

このあたりは、長年、印刷に携わるプロのアドバイスが必要な部分です。ですから、業者選びは慎重にすべきと考えています。こちらのお客様は、こうやって弊社に確認してくださったので説明することができました。

5相見積もりで安くしてもらうために補足する言葉とは

それでは、ここからは、どのように相見積もりを集めれば良いのか、具体策について解説していきます。

相見積もりを集める時は、金額だけを見るのではなく、

  • どんな品質のものを作れるのか?
  • どんな行程で作るのか?
  • それにいくら掛かるのか?

を調べてください。

そして、見積もりを依頼する時に言葉を付け加えるのであれば、

『見積もりを集めているのですが、それぞれの業者さんがどのような品質のものをどんな行程で、どれくらいの費用で作ってもらえるのか比較したいので、できるだけお安くお願いします』

といった具合で、言葉を補足すると良いと思います。
このように交渉すると有利になるだけでなく、失敗しにくい見積もりが集められるようになります。

6カタログ、パンフレットの見積もりを集める時の注意点、12個

ここからは、カタログやパンフレット制作を依頼する業者探しの時の、具体的な相見積もりの集め方について解説していきます。実は、業界の特性上、業者さんによって、見積もり書の表示の仕方がバラバラなので、よく吟味しないとわかりにくいかもしれません。

そのため、比較が非常に困難です。

決まった見積書の形がある訳ではなく、それぞれの業者さんが独自のスタイルで見積書を作りますので、正直、相見積もりの比較も大変です。あえて詳しい項目を書かない場合もあります。そういう見積書こそ、詳しい内容の説明を求めましょう。


カタログやパンフレットなどオーダーメイドの作品を作る過程では、必ず必要な作業が幾つかあります。それらがちゃんと含まれているのか、又、それらの項目の費用はいくらなのかを確認しましょう。

そして、これらをきちんと知った上で業者さん選定をすると失敗しにくいと思います。以下は、比較するために確認したいポイントの一部です。

  • 基本デザイン料金
  • 提示してくれるデザイン案の数
  • 文字校正料金
  • 原稿作成料金
  • 訪問料金
  • 修正回数
  • イラスト作成料金
  • 写真撮影料金
  • 印刷料金(サイズ、ページ数、紙の厚み、加工、部数、スクリーン線数*など)
  • 色校正料金
  • イメージ写真料金
  • 画像補正・トリミング・加工料金
  • 過去の実績(制作物の品質を確認)

上記は、カタログやパンフレット製作時に必要な作業項目の一例です。

以下の章で、もう少し深掘りして解説していきます。

*印刷品質にかかわるスクリーン線数は、とても重要なポイントです。スクリーン線数については弊社の用語集を御覧ください。用語集はこちら

7カタログ、パンフレットの見積もりを集める時の注意点 解説深掘り

基本デザイン料金

カタログやパンフレットのデザインとデータ制作にかかる費用です。
基本的なデザイン料金の他に、ページ制作料が含まれます。ページ制作料は、1ページ単価で表示する会社さんが多いと思います。当然、ページ数が多くなれば多くなるほど高くなります。

提示してくれるデザイン案の数

初回のデザイン案で提示してくれるデザイン案の数です。『1案のみ』としている会社もあれば、3案提示などと書いてある場合もあります。デザイン案が複数になれば金額は高くなります。
ちなみに、弊社は通常、1案のみの料金を提示することが多いです。それには理由がありますので、また別の記事で解説したいと思います。

文字校正料金

これは、文章などの文字校正の作業です。推敲とは異なります。あくまでも誤字脱字などを見つける作業です。くわしくは、用語集で解説していますので読んでみてください。文字校正作業は含まれない会社もありますので確認しましょう。

原稿作成料金

これは、文章などをライティング(執筆)する作業です。会社によっては文章の制作は行わないという所もあります。その場合は、自社で全ての文章を用意しなければなりません。制作会社によってライターがいない場合もありますので差が出る所です。

訪問料金

制作会社のスタッフ(主に営業マンなど)がお客様の所に出向き、提案したり修正指示を受けたりする作業です。訪問は行っていない会社もあれば、無制限で行ってくれる会社もあります。無制限で訪問するということは、そのマンパワーにかかる費用が計上されることになります。(無給で働く人はいません・・・)

修正回数

製作開始から印刷までの間に、何回分の修正作業が含まれているかを確認します。数回〜無制限の所まで、様々です。無制限ということは、その分人が動きますので、費用が高めに計上されているかもしれません。(無給で働く人はいません・・・)

イラスト作成料金

カタログやパンフレットに掲載するオリジナルイラスト作成料金のことです。最近では、フリー素材やサブスクの素材を仕様する制作会社が増えていますので、別立てで計上している所は少ないかもしれません。ただ、フリー素材では準備できないような特殊なイラストは、オリジナルで書き起こす必要があります。その場合、イラスト作成料金が計上されます。また、そのイラストの著作権は譲渡してもらえるかなど、権利の部分も確認しておきましょう。

写真撮影料金

プロカメラマンやノンプロカメラマンによる写真撮影が必要な場合は、この料金が計上されます。写真撮影料金は、プロカメラマンなのかノンプロなのか、必ず確認しましょう。また、その写真の著作権は譲渡してもらえるかなど、権利の部分も確認しておきましょう。

印刷料金

印刷料金は、最低でも下記の内容は確認しましょう。

サイズ/ページ数/紙の厚み/紙の種類/加工(折、中綴じ、PP加工、箔など)/部数/スクリーン線数/色校正

条件が少し変わるだけでも、平気で数万円ほど変わる場合があります。
きちんと同条件で見積もりを集めるようにしてください。

色校正料金

色校正とは、本番印刷の前に、色味を確認する作業のことです。詳しくは、用語集で解説していますので、こちらを御覧ください。一般的な会社案内では、ほとんど不要ですが、アパレルなど色味に気を配らなければならない業種は必須です。

イメージ写真料金

カタログやパンフレットに掲載するイメージ写真にかかる費用のことです。最近では、フリー素材やサブスクの素材を仕様する制作会社が増えていますので、別立てで計上している所は少ないかもしれません。ただ、フリー素材では準備できないような特殊な写真は計上される場合があります。また、その写真の著作権は譲渡してもらえるかなど、権利の部分も確認しておきましょう。

画像補正・加工・トリミング料金

カタログやパンフレットに掲載する写真を補正する作業にかかる費用です。弊社では基本デザイン料に含めていますので、別立てすることはありません。しかし、会社によっては画像の点数分の補正料金を計上する場合もありますので確認が必要です。また、ページ数の多いカタログなどで、写真点数が数百枚に及ぶ場合は、別立てで計上されるケースが多いです。

8必ず実績を見よう

最後に、一番大切な制作実績について解説します。

商用デザインでは、デザインの良し悪しに『正解・不正解』はありません。
お客様が『良い』と感じられれば、良いものとなり、そうでない場合は納得のいかない成果物になるでしょう。

しかし、どんなデザインでも、ある一定のユーザビリティに配慮されていなければならないと考えています。ユーザビリティについては用語集で解説していますので御覧ください。

商用カタログやパンフレットは、営業成績や売上に直結するものです。
きちんと読まれなければ、渡した相手の感情を動かし、成約につなげることはできません。
ですから、①読みやすく、②わかりやすく、③感情が動く、見た目やレイアウトになっている必要があるのです。

これこそが、商用カタログやパンフレットに求められる条件です。

ですから、相見積もりで見積もりを集める際には、必ず、制作会社の制作実績を確認してください。ちゃんと読みやすく魅力的なデザインになっているかを、第三者の目で確認して業者選びをしてください。

ここにはデザインの専門家の視点は不要です。
あくまでもカタログやパンフレットを受け取る側のフラットな視点でジャッジしましょう。

9ネットの格安印刷なら

ネットの格安印刷なら、プリントネットさんがバランスがとれていてオススメです。
スクリーン線数は一般的な格安印刷と同レベルですが、ジャパンカラーなので印刷品質が高いのが特徴。あとは、国産紙が選べるのが大きいですね。印刷の品質は、どこも同じではありません。

それぞれの企業努力で、安くてきれいな印刷を突き詰めています。そういう意味でも、プリントネットさんが品質とコストのバランスがとれていると思います。

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後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

後藤 ようこ取締役副社長

スキル

  • ランディング(執筆)
  • ディレクション
  • コンサルティング

大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。

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