執筆者:後藤ようこ
文字校正パンフレットの誤字脱字を防ぐ方法|制作担当者が知っておきたい校正の基本
- 2026年07月06日
- ノウハウ
執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。


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<記事の概要>
パンフレットの誤字脱字や情報ミスを防ぐために、原稿整理、正式表記、表記ゆれ、数字、地図、連絡先などの確認方法を紹介。制作担当者が印刷前に実践したい校正の手順とチェックポイントを、わかりやすく解説します目 次
1はじめに:誤字脱字は防げる!
会社案内パンフレットやカタログは、会社案内・商品案内・サービス紹介・採用案内・イベント案内などに使われ、企業や店舗の印象を左右する大切な印刷物です。
たとえデザインがきれいに仕上がっていても、誤字脱字や表記ミス、住所・電話番号・価格などの情報ミスがあると、読み手に大きな不安を与えてしまうことがあります。
また、パンフレットは一度印刷してしまうと、ウェブページのようにすぐ修正することができません。
印刷後にミスが見つかった場合、刷り直しや訂正シールの対応が必要になることもあります。
これらはコストが発生するだけでなく、肝心なイベントに間に合わなくなったり、大きな損害を生じてしまいます。
そのため、パンフレット制作の現場では、
デザインの見た目だけでなく、
掲載内容を正確に確認する「校正」の工程がとても重要です。
この記事では、パンフレット制作を担当される方に向けて、誤字脱字や情報ミスを防ぐための確認方法を、実務で使いやすい形で紹介します。
誤字脱字の確認作業は、デザイン側だけでは完結しません。
正解をもっているお客様サイドの協力がなくてはならないものです。
この機会に、誤字脱字を防ぐための情報チェックの方法について考えてみましょう。
2パンフレットで誤字脱字が起こりやすい理由
パンフレット制作は、1)原稿作成、2)写真選定、3)デザイン、4)修正、5)校正、6)印刷入稿といった複数の工程を経て進んでいきます。
この一連の過程では、文章をコピー&ペーストしたり、レイアウトに合わせて文章を短くしたり、修正を何度も繰り返して完成に近づけます。
そのため、こうした作業の中で、思わぬところに誤字脱字が入り込んでしまうことがあります。
また、原稿を作成した本人ほど、内容をよく理解しているため、文章を無意識に割愛しながら読んでしまうことがあります。
そのため、見慣れた文章ほど、抜け字や変換ミスに気づきにくくなります。
特に、以下のような情報は注意が必要です。
これらは重要度が高く、誤字脱字や記載ミスがあると、刷り直しにつながる可能性が高い部分です。
特に注意したい重要な情報
これらは、単なる文字のミスではありません。
顧客からの問い合わせ、来店、申し込み、注文など、実際の行動に直接影響する重要な情報です。
そのため、パンフレットを校正するときは、文章として読むだけでなく、情報を一つずつ照合する意識が必要です。
間違いやすいポイント
さらに、上記の重要な項目の中でも、以下は、特にミスが起こりやすい視点です。
大切なので覚えておきましょう。
会社名
前株・後株、株式会社と社名の間のスペース、カタカナ表記、漢字表記
商品名
正式名称、英数字、記号、シリーズ名
サービス名
正式名称、表記ゆれ、略称との混在
住所
郵便番号、都道府県、市区町村、番地、ビル名、階数
電話番号
郵便番号、都道府県、市区町村、番地、ビル名、階数
メールアドレス
アンダーバー、ハイフン、ドット、大文字・小文字
URL
https:// の有無、ドメイン、スラッシュ、英数字の抜け
価格
税込み・税抜きの表記、桁数、単位
営業時間
開始時間、終了時間、曜日ごとの違い
定休日
曜日、祝日対応、臨時休業の有無
開催日
年月日、曜日、開始時間
申込期限
西暦、月日、曜日、締切時間
3対策1:誤字脱字を防ぐために、まず原稿を整理する
パンフレットの誤字脱字を防ぐためには、デザインが仕上がってから確認するだけでなく、原稿を作成するたびに文字をチェックしておくことが大切です。
原稿が整理されていないまま制作を進めると、あとから文章の差し替えや情報の修正が増え、誤字脱字や確認漏れが起こりやすくなります。
反対に、最初の段階で原稿の内容を整えておくと、制作会社への指示も伝わりやすくなり、デザイン確認や校正もスムーズに進めやすくなります。
原稿はできるだけ完成形に近づけてからデザインへ
デザイン作業に入ってから文章を大きく変更すると、修正箇所が増え、ミスが発生しやすくなります。
たとえば、本文を追加したことで改行位置が変わったり、写真の位置を調整する必要が出たり、別のページとの文章量のバランスが崩れたりすることがあります。
その結果、修正した箇所だけでなく、周辺の文章やレイアウトにも影響してしまいます。
もちろん、デザインを見てから「もう少し短くしたい」「見出しを変えたい」と感じることはあります。
ただし、最初から未整理の原稿で進めてしまうと、確認する人も制作する人も、どこが最新の情報なのか分かりにくくなります。
デザインに入る前に、掲載する内容、見出し、本文、写真、会社情報、商品情報、連絡先などをできるだけ整理しておきましょう。
そもそも、原稿の文字数によってデザインは変わります。
原稿が途中で大きくかわるということは、デザインも大きく変わるということと同じことです。

こららは追加費用の対象になりますので、注意しておきましょう。
最新の原稿がどれか分かるようにする
パンフレット制作でよくあるのが、複数の原稿ファイルが存在してしまうケースです。
「パンフレット原稿」
「パンフレット原稿_修正」
「パンフレット原稿_最終」
「パンフレット原稿_最終修正」
このような状態になると、どの原稿が最新版なのか分からなくなり、古い情報をもとに制作が進んでしまうことがあります。よって、最新の原稿はどれなのか常に把握して進めることが重要です
原稿ファイルには、日付や版数を入れて管理すると分かりやすくなります。
「パンフレット原稿_2026-07-01」
「会社案内原稿_v2」
「商品パンフレット原稿_確認済み」
社内で複数人が原稿を確認する場合は、
誰か1人が最終原稿を取りまとめるようにしましょう。
複数人がそれぞれ別々の原稿を修正してしまうと、修正内容の反映漏れや重複が起こりやすくなります。
ワンポイントアドバイス:わたしのファイル管理
私は、常にフォルダで管理しています。
そして、フォルダには番号をつけておきます。
02_原稿
03_原稿
という具合に数字を頭につけると、フォルダ内は古い順にならびます。
よってファイルには必ず順番にナンバリングをふっています・
この時、ファイル名を長くしがちですが、
パット見た時に探しやすいようにファイル名は短めにしています。
4対策2:会社名・商品名・サービス名の正式表記を確認しよう
ミスしやすい誤字脱字の中に固有名詞があります。
会社名、商品名、サービス名、施設名、部署名、担当者名などは、1文字違うだけでも大きなミスになり、失礼にあたります。
特に、以下のような点は念入りに確認しましょう。
社内では通称、略称で使っている呼び方でも、パンフレットには正式名称で掲載する必要があります。
あくまでもフォーマルな案内だからです。
原稿作成の段階で、正式表記を一覧にしておくと安心です。

5対策3:表記ゆれをなくしましょう
パンフレットの中で同じ意味の言葉が違う表記になっていると、読み手に違和感を与えることがあります。
これを「表記ゆれ」といいます。
何気なく書いている文章の多くには、かなりの数「表記ゆれ」が存在します。
フォーマルなパンフレットやカタログを作る際には、この「表記ゆれ」はできるだけ無くすよう心がけましょう。
たとえば、以下のような表記が混在していないか確認します。
どれが正しいか?ということではなく、同じパンフレットの中で表記をそろえる作業が必要です。
表記が統一されているだけで、パンフレット全体の印象は整って見えます。
逆に、表記がばらばらだと、細部まで確認されていない雑な印象を与えてしまうことがあります。
特に、数字を扱う場合は、全角で表記するのか、半角で表記するのかを事前に決めておきましょう。
パンフレットでは、住所、電話番号、価格、営業時間、開催日、申込期限、URL、メールアドレスなど、数字や英数字を含む情報が多く使われます。
横書きのパンフレットでは、数字や英数字を半角で統一すると、電話番号やURL、メールアドレスとの相性もよく、校正時にも確認しやすくなります。
たとえば、同じ紙面の中で「3日」と「3日」、「10:00」と「10:00」が混在していると、見た目にばらつきが出るだけでなく、確認漏れの原因にもなります。
数字の全角・半角に絶対的な決まりがあるわけではありませんが、パンフレット内で表記ルールを統一すればよいと思います。
6対策4:数字・価格・日付・単位は別に確認しよう
パンフレット印刷で、特に致命的なミスにつながるのが、数字にまつわる情報です。
これらは間違えると実務上のトラブルにつながることがあります。
文章の流れの中で数字を読んでいると、意外と間違いに気づきにくいものです。
そのため、数字は文章とは別に、元資料と照らし合わせながら複数回確認することをおすすめします。
数字は「読んで確認する」のではなく、「照合して確認する」ことが大切です。
数字・価格・日付・単位については、何度も念押し確認したほうが安全です。
7対策5:地図を掲載する場合は、文字情報とは別にしっかり確認しよう
パンフレットにアクセスマップや周辺地図を掲載する場合は、文章の校正とは別に、地図専用の確認が必要です。
地図は一度作成すると、以前のデータをそのまま流用することがあります。
しかし、実際の街並みは少しずつ変わっています。
目印にしていたお店が閉店していたり、別の店舗に変わっていたり、銀行名が合併によって変更されていたりすることもあります。
そのため、過去に作成した地図を使う場合でも、「前回と同じだから大丈夫」と考えず、現在の情報と照らし合わせて確認することが大切です。
目印になる建物や店舗が、現在もあるか確認する
地図の中には、駅名や道路名のみならず、周辺のお店、銀行、コンビニ、公共施設などを目印として掲載します。
しかし、これらの情報は時間の経過とともに変わることがあります。
たとえば、以下のような変更が起こる場合があります。
目印として掲載している情報が古いままだと、初めて訪れる人が迷う原因になります。
実際の現在の状況と合っているかを必ず確認しましょう。
駅名・出口番号・バス停名・道路名を確認する
駅名、出口番号、バス停名、道路名、交差点名なども重要な情報です。
特に駅周辺では、出口番号が変わったり、新しい出口ができたりすることがあります。
また、バス停名や路線名が変更される場合もあります。
地図の中に掲載する名称は、古い資料だけをもとにせず、現在の情報を確認することが大切です。
JR・私鉄・地下鉄などの路線表現を分ける
地図では、路線の表現にも注意が必要です。
JR線、私鉄、地下鉄、バスルートなどをすべて同じ線で表現してしまうと、読み手が違いを判断しにくくなります。
特に複数の路線が通っている駅周辺では、線の種類が分かりにくいと、かえって迷いやすい地図になってしまいます。JR、私鉄、地下鉄などを掲載する場合は、線の太さ、色、模様、点線、凡例などを使って、違いが分かるように整理しましょう。
地図は、正確であることはもちろん、初めて訪れる人が見ても迷わないことが大切です。
基本的な考え方:国土地理院の地図記号
地図に鉄道路線を入れる場合は、JR線、私鉄、地下鉄の表記にも注意が必要です。
一般的な地図表現では、JR線は白黒の縞模様、私鉄はJR線とは異なる線路記号、地下鉄は地下鉄用の記号や路線名で区別されます。
そのため、地図を作成するときは、JR線、私鉄、地下鉄を同じ線で表現せず、それぞれの違いがわかるようにしましょう。
ただし、パンフレット用の簡易地図では、地形図の記号を厳密に再現することよりも、利用者にとってわかりやすいことが大切です。
主な表記方法
駐車場や入口の位置も確認する
店舗や施設のパンフレットでは、駐車場の場所や入口の位置を掲載することがあります。
この場合、駐車場の場所だけでなく、車でどの方向から入れるのか、一方通行や進入禁止に問題がないかも確認しておきましょう。
徒歩では分かりやすい場所でも、車で来る人には分かりにくい場合があります。特に、病院、店舗、イベント会場、ショールームなどのパンフレットでは、駐車場や入口の表記が来訪者の行動に直結します。
地図は現地を知っている人にも確認してもらう
地図の確認は、制作担当者やデザイナーだけでは判断しきれないことがあります。
Googleマップをもってしても、リアルタイムに反映されないため、間違いが起こることがあります。
実際にその場所をよく知っている人、日常的に来店者や来訪者を案内している人にも確認してもらうと安心です。たとえば、受付担当者、店舗スタッフ、営業担当者、現場担当者などは、来訪者が迷いやすいポイントを知っていることがあります。
パンフレットの地図は、ただ正確に描くだけでなく、初めて見る人にとって分かりやすいことが大切です。
8対策6:校正は「読む」だけでなく「項目ごと」に確認しよう
パンフレットの校正では、文章全体を読むだけでは不十分です。
文章の流れを確認する作業と、誤字脱字を探す作業、数字や連絡先を確認する作業は、それぞれ見るべきポイントが違います。
一度にすべてを確認しようとすると、どこかで見落としが起こりやすくなります。
また、校正をする人は、パンフレット制作に最初から携わった人が担当しましょう。
途中で担当を変更する場合は、しっかり注意事項を伝達するようにしましょう。
まず文章全体を通して読む
最初に、パンフレット全体を、最初から最後まで声にして通しで読みます。
この段階では、文章の流れが自然か、説明が分かりにくい部分がないか、読み手に伝わる内容になっているかを確認します。見出しと本文の内容が合っているか、同じ説明が何度も繰り返されていないかも確認するとよいでしょう。
可能であれば二人以上で読み合わせすることをおすすめします。
次に誤字脱字だけを確認する
文章全体を読んだあとは、誤字脱字だけに集中して確認します。
このときは、内容の良し悪しやデザインの印象はいったん置いておき、文字の抜け、変換ミス、余分な文字、句読点の違和感などを見ていきます。
画面上だけでなく、紙に印刷して確認すると、ミスに気づきやすくなる場合があります。
固有名詞だけを確認する
会社名、部署名、担当者名、商品名、サービス名、地名、施設名などは、通常の文章とは別に確認します。
固有名詞は、変換ミスや表記ゆれが起こりやすい部分です。
正式名称と照らし合わせながら、一文字ずつ確認しましょう。
連絡先・住所・URL・QRコードを確認する
電話番号、FAX番号、メールアドレス、住所、URL、QRコードは、必ず実際の情報と照合します。
QRコードを掲載する場合は、スマートフォンで実際に読み取り、正しいページに遷移するか確認しておきましょう。
URLやQRコードは、文字として正しく見えても、リンク先が間違っている場合があります。
URLは一文字ずつ読み上げて確認します。
慣れている人は
校正作業に慣れている人は、上記のように分割して確認しなくても良いです。
ただし、上記の点は特に注意して読んでいきましょう。
9対策7:紙に印刷して確認しよう
パンフレットは、最終的に紙で読むものです。
そのため、可能であれば実際の仕上がりサイズと同じ状態で印刷して確認することをおすすめします。
紙での校正は必須と考えてください。
画面上だけでは見落としやすい
画面では拡大・縮小しながら確認するため、実際の文字サイズや余白の印象が分かりにくいことがあります。
紙に出して確認すると、文字が小さすぎないか、行間が詰まりすぎていないか、写真や図版と文字のバランスがよいかを確認しやすくなります。
声に出して読もう
文章を声に出して読むと、抜けている言葉や不自然な表現に気づきやすくなります。
読みづらい文章は、読者にとっても理解しにくい可能性があります。
特に説明文や案内文は、声に出して確認すると文章の流れを判断しやすくなります。
時間を置いてから再確認する
同じ日に何度も確認していると、目が慣れてしまい、ミスを見落としやすくなります。
可能であれば、少し時間を置いてから再確認すると、客観的に読み直しやすくなります。
10印刷前に確認したいパンフレット校正チェックリスト
パンフレットの確認では、見るべき項目を分けてチェックすると、確認漏れを防ぎやすくなります。
文字まわりのチェック
数字・情報のチェック
地図まわりのチェック
デザイン上のチェック
印刷物特有のチェック
11最後に:パンフレット制作では校正の時間をしっかり確保しましょう
パンフレットは、印刷してから誤字脱字に気づいても、簡単には修正できません。
そのため、制作スケジュールの中に校正の時間をきちんと確保しておくことが大切です。
特に、会社名、商品名、価格、住所、電話番号、日付、地図などの重要情報は、文章を読むだけでなく、元資料や現在の情報と照らし合わせながら確認しましょう。
パンフレット制作では、デザインの見た目だけでなく、掲載内容の正確さも品質の一部です。
制作担当者、社内確認者、制作会社が協力しながら、安心して配布できるパンフレットを目指しましょう。