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後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

大人の教養 旅ブログ【大人の教養 旅ブログ】 山と海を堪能できる男鹿半島を一周。 なまはげ館で感じた、雪国に息づく美しい伝統文化

<記事の概要>

GWに秋田県の男鹿半島を一周。なまはげ館での体験を通して、雪国に息づく伝統文化の奥深さや、暮らしに根づく祈りを感じた旅の記録です。

1GWに男鹿半島を一周

今年のゴールデンウィークは、秋田県の男鹿半島へ行ってきました。

これまで47都道府県のさまざまなエリアを観光してきましたが、秋田県はまだあまりゆっくり回ったことがなく、今回は男鹿半島を中心にめぐることにしました。

はじめて訪れた男鹿半島は、美しい海沿いの道と、半島らしい起伏のある風景が印象的な場所でした。

新緑の中に、まだ少し残る遅咲きの桜。
春から初夏へ向かう季節の空気に出迎えられ、とても気持ちのよい旅になりました。

男鹿半島は、車で走るだけでも十分に楽しい場所です。

海沿いを走る爽快感。
山あいへ入っていく道の変化。
ところどころに見える集落の風景。

その中でも特に心に残ったのが、男鹿半島にある「なまはげ館」でした。

今回の記事では、なまはげ館での体験を通して感じた、男鹿半島とナマハゲ、そして今もなお受け継がれている伝統文化の奥深さについてご紹介します。

旅先で出会った「ナマハゲ」は、想像していたよりもずっと深く、土地の暮らしに根づいた大切な文化的存在でした。

2男鹿半島とナマハゲの文化

男鹿半島は、秋田県の西側、日本海に突き出すように広がる半島です。

実際に訪れてみると、海と山がとても近く感じられる、美しい場所でした。
半島をぐるりと車で走ると、片側には日本海、もう片側には新緑が芽吹いた山々が続きます。

海沿いの開放的な景色が続いたかと思えば、いつの間にか山あいの道へ入り、起伏のある風景の中を走っていきます。

日本海を横目に、えんえんと続く山道をドライブしていると、どこか能登半島にも似た雰囲気を感じました。

日本海ならではの澄んだ海の色。
新緑に包まれた山々。
半島ならではの静かな集落の風景。

ただ車で走っているだけでも、心が癒されるような観光地です。


一方で、男鹿半島の魅力は、景色の美しさだけではありません。

男鹿半島といえば、やはり「ナマハゲ」のイメージが強いかもしれません。

私自身も、訪れる前は、
「ナマハゲって、あの怖いお面の?」
という程度の知識しかありませんでした。

でも実際に知ってみると、ナマハゲは単なる観光名物ではなく、この土地の自然や暮らし、信仰と深く結びついている文化なのだと感じました。

ナマハゲをはじめ、この土地には、長い時間をかけて受け継がれてきた暮らしや信仰、文化の気配が残っています。

海と山に囲まれた厳しくも豊かな自然の中で、人々がどのように暮らし、何を大切にしてきたのか。

男鹿半島は、旅の途中でそんなことをふと感じさせてくれる場所でした。

美しい日本海の風景と、土地に根づいた伝統文化。
その両方を感じられるところに、男鹿半島らしさがあるのだと思います。

3地域に息づくナマハゲ|怖いだけではない存在

「ナマハゲ」と聞くと、どんなイメージがありますか?

多くの人は、「怖い」「子どもを泣かせる」「泣く子はいねがーと家にやってくる」といった印象を思い浮かべるかもしれません。

私自身も、ナマハゲについて深く知るまでは、どちらかというと“怖い存在”というイメージが強くありました。

しかし、なまはげ館でその背景を知ると、ただ人を怖がらせるための存在ではないことがわかります。

ナマハゲは、大晦日の晩に家々を訪れる、男鹿半島に古くから伝わる伝統行事です。怠け心を戒め、家の厄を祓い、無病息災や田畑の実り、山海の幸をもたらす来訪神とされています。

家々を訪ね、

「怠けていないか」
「悪い子はいないか」
「家族を大切にしているか」

と問いかけるナマハゲ。

その姿は怖く見えるかもしれませんが、背景にあるのは、家族の健康や豊作・豊漁を願う、地域の人々の祈りです。

ナマハゲは、単なる観光名物ではなく、男鹿の暮らしの中に息づいてきた大切な来訪神なのだと感じました。

また、ナマハゲというと、子どもを怖がらせたり、連れて行こうとしたりする場面も印象的です。

一見すると、とても怖い風習に見えます。

でも、その背景には「子どもを懲らしめる」というだけではなく、子どもの健やかな成長を願う意味も込められているように感じました。

ナマハゲは、家々を訪ねて「泣く子はいねが」「悪い子はいねが」と問いかけます。

それは、子どもに恐怖を与えるためだけではなく、怠け心やわがままを戒め、家族や地域の中でまっすぐ育ってほしいという願いの表れなのだと思います。

また、ナマハゲが家に入ることで、その家の厄を払い、無病息災や家内安全を願う意味もあります。

子どもを連れて行こうとするような迫力あるやりとりも、実際には地域の大人たちが子どもの成長を見守り、家族みんなで新しい年を迎えるための大切な儀式だったのかもしれません。

怖さの中に、戒めがある。
戒めの奥に、子どもや家族を思う温かさがある。

そう考えると、ナマハゲの怖さは単なる恐怖ではなく、地域の暮らしの中で受け継がれてきた「育てる力」のようにも感じられました。

4ナマハゲの由来|ナモミ剥ぎと999段の石段伝説

ナマハゲには、いくつかの由来や伝説が残されています。

ここからは、「999段の石段」の伝説と、ナマハゲの由来の「ナモミ剥ぎ」についてご紹介します。

「999段の石段」の伝説

昔、漢の武帝が連れてきた五匹の鬼が男鹿の村を荒らしたため、村人たちは鬼にある約束をさせました。

「一晩で五社堂まで千段の石段を積み上げることができれば、村の娘を差し出す。できなければ村から出ていく」

鬼たちはものすごい勢いで石段を積み上げ、あと一段で千段というところまで迫ります。

そこで村人が一番鶏の鳴き真似をして夜明けを告げると、鬼たちは朝が来たと思い込み、驚いて逃げ去ったと伝えられています。

そのため、赤神神社五社堂へ続く石段は「999段の石段」と呼ばれ、ナマハゲにまつわる伝説のひとつとして語り継がれています。

この伝説にゆかりのある場所は、赤神神社五社堂として、今も男鹿半島に残っています。

赤神神社五社堂

鬼が一晩で築いたと伝えられる999段の石段を登った先に、五棟の社殿が並んでいます。

男鹿のナマハゲにまつわる伝説の舞台として知られ、現在も観光地として訪れることができます。

なまはげ館で文化や歴史を知ったあとに、この赤神神社五社堂の存在を知ると、ナマハゲが単なる観光名物ではなく、男鹿の土地そのものに深く根づいた存在なのだと感じます。

駐車場から五社堂までは、起伏のある石段を登って約25分程度と案内されています。

今回の旅では熊が怖かったので行かなかったのですが、落ち着いたらぜひ立ち寄りたい場所です。
行くなら歩きやすい靴がよさそうです。

※今回は、熊が怖かったので立ち寄りませんでした。なので、生成AIでイラストにしてみました

五社堂

999の石段

参考サイト ➡ 赤神神社 五社堂


ナモミ剥ぎ

もうひとつ、ナマハゲの由来で特に印象的だったのが、「ナモミ剥ぎ」という話です。

ナマハゲの語源は、囲炉裏に長くあたることで手足にできる火斑「ナモミ」を剥ぐ「ナモミハギ」が訛ったものとされています。

冬、囲炉裏に長くあたっていると、手足に火斑ができます。
この火斑を男鹿の方言で「ナモミ」と呼び、それを剥ぎ取る「ナモミ剥ぎ」が、ナマハゲの語源になったと言われています。

秋田は稲作が盛んな地域ですが、冬になると雪に閉ざされ、外でできる仕事は限られてきます。

寒い冬、家の中で囲炉裏にあたる時間も多かったはずです。

でも、だからこそ、

楽な方へ流されすぎてはいないか。
怠けすぎてはいないか。
家族や地域の中で、自分の役割を果たしているか。

ナマハゲは、そう問いかける存在でもあったのだと思います。

怖さの奥にあるのは、単なる罰ではありません。

厳しい雪国を助け合いながら生き抜いてきた人々の知恵であり、暮らしを整えるための戒めだったのではないでしょうか。

今の家々に囲炉裏はなくなり、私たちは温かな暖房器具に囲まれて暮らしています。

それでも、楽な方へ流されすぎないこと。
日々をきちんと生きること。
家族や地域の中で役割を果たすこと。

そうした教えは、今の暮らしにも通じるものがあります。

ナマハゲには、日本人の心の強さと、自分への厳しさが込められているように感じました。

5ナマハゲ文化|日本人の厳しさと雪国の強さ

ナマハゲ文化には、日本人らしい厳しさがあります。

ただ優しく見守るだけではなく、時には叱る。
怠け心を戒め、暮らしを正し、家族や地域を守る。

その厳しさの中には、雪国で助け合いながら生き抜いてきた人々の強さがあるように感じました。

冬の厳しさを知っているからこそ、日々の暮らしをおろそかにしない。
家族の健康を願い、田畑の実りを願い、地域全体で新しい年を迎える。

ナマハゲは怖い存在でありながら、どこか温かい存在でもあります。

それは、ただ人を脅かすものではなく、人々がまっすぐ生きていくための道標のような存在だからなのかもしれません。

また、ナマハゲの面や衣装にも、地域ごとの個性が表れています。

ナマハゲ面は集落ごとに種類が異なり、その表情や素材もさまざまです。

ザルや紙、木彫りなどを使って作られるものもあり、ひとつとして同じものがないような多様さがあります。

衣装にも、その土地の暮らしが反映されています。

米作りが盛んな集落ではワラを使い、漁村では古くなった魚網を使うこともあるそうです。

同じナマハゲでありながら、地域によって姿が少しずつ違うところに、男鹿半島の文化の豊かさを感じました。

ワラや魚網といった素材には、人々の暮らしを支えてきた山の恵み、海の恵みへの感謝も込められているように思います。

「今年も無事に暮らせますように」
「来年も豊作でありますように」
「海の幸に恵まれますように」

そんな祈りや願いが、ナマハゲの姿の中に息づいているのかもしれません。

怖さ、厳しさ、祈り、感謝。

そのすべてが重なっているところに、ナマハゲ文化の奥深さを感じました。

6なまはげ館でナマハゲ体験|迫力と学びがある施設

今回の旅では、男鹿半島にある「なまはげ館」に立ち寄りました。

なまはげ館は、ナマハゲの歴史や資料にふれられる施設です。
隣接する男鹿真山伝承館では、真山地区のナマハゲ習俗を体感できる学習講座も行われています。

なまはげ館

男鹿真山伝承館

このナマハゲ体験が、とても面白かったです。
男鹿半島に行くなら、ぜひ立ち寄ってほしい体験型の見どころだと思います。

ナマハゲが家に入ってくる迫力。
家の人とのやりとり。
声の大きさ、動き、空気感。

写真や映像で見るナマハゲとは違い、目の前で体験すると、その存在感に圧倒されます。

古民家の中で体験ができ、1回の講演では20〜30人ほどが入っていました。

皆さん初めての体験に声をあげて驚いていて、子どもたちは思わず泣き出してしまうほど。
子どもにとっては、本当に怖い体験だと思います。

とはいえ、大人もかなりびっくりします。

でも、体験してみると、ただ怖いだけではないことがわかります。

男鹿真山伝承館開講

男鹿真山伝承館開講

怖いけれど、ありがたい。
迫力があるけれど、どこか神々しい。

そこにある作法や意味を知ることで、ナマハゲが単なる観光パフォーマンスではなく、地域に受け継がれてきた大切な文化なのだと感じました。

見たことも体験したこともない私たちにとっては、非日常の楽しい体験です。そして同時に、男鹿の人々が大切に守ってきた文化に触れられる、貴重な時間でもありました。

7いろいろな種類のお面があるナマハゲ

なまはげ館で圧倒されたのが、ずらりと並ぶナマハゲのお面です。

ナマハゲと聞くと、ひとつの決まった姿を想像してしまいますが、実際には地区によって顔つきや表情、素材、衣装、所作が異なります。

赤い顔、青い顔、鋭い目をしたもの、どこか人間味を感じるもの。

怖いだけではなく、神聖さやユーモラスさを感じるお面もありました。

なまはげ館には、実際に使われていた150を超える多種多様なナマハゲ面が展示されていると紹介されています。

同じ男鹿半島の中でも、地域ごとに少しずつ違うナマハゲが受け継がれている。

そのことに、民俗文化の豊かさを感じました。

そもそも、ナマハゲのお面に種類があることも知りませんでした。

だからこそ、展示を見ながら、
「同じナマハゲでも、こんなに違うのか」
と驚きました。

観光としても見応えがありますが、それ以上に、地域ごとに文化が細やかに受け継がれてきたことが伝わってくる展示でした。

8古くからの伝統文化が伝え、教えるもの

秋田県・男鹿半島のなまはげ館を訪れて感じたのは、伝統文化は決して「昔のもの」ではないということです。

怠けずに日々をきちんと生きること。
家族を大切にすること。
地域の中で支え合うこと。
自然への畏れを忘れないこと。

ナマハゲ文化には、そうした今の暮らしにも通じる教えが息づいていました。

便利な時代になり、昔のように囲炉裏にあたって冬を越す暮らしではなくなりました。

それでも、人が楽な方へ流されやすいことや、家族や地域とのつながりが大切であることは、今も変わりません。

古くからの伝統文化は、過去を懐かしむためだけのものではなく、今を生きる私たちに大切なことを伝え続けているのだと思います。

「男鹿のナマハゲ」は、1978年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2018年には「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産にも登録されました。

そうした文化を絶やすことなく受け継ぎ、今に伝え続けている男鹿半島の姿そのものにも、美しい日本のあり方を感じます。

日本には、各地にさまざまな伝統文化が残っています。

祭り、風習、郷土芸能、食文化、信仰。

それらは、ただ古いものとして残されているのではなく、その土地で人々がどのように生き、何を大切にしてきたのかを伝えるものです。

ナマハゲ文化も、そのひとつです。

厳しい冬を越え、家族の健康を願い、豊作や豊漁を祈り、地域の中で暮らしを守ってきた人々の思いが込められています。

こうした文化に旅先で触れることは、単なる観光以上の意味があります。

日本に残る伝統文化を知り、大切にしたい。

なまはげ館を訪れて、そんな気持ちがいっそう強くなりました。

9男鹿半島ドライブが最高

男鹿半島は、ドライブ旅にも最高の場所でした。

海沿いを走る気持ちよさ。
半島ならではの景色。
そして、なまはげ館で触れた深い伝統文化。

景色を楽しむだけでも十分に魅力的ですが、土地に受け継がれてきた文化を知ることで、旅の印象はさらに深くなります。

GWに男鹿半島を一周して、改めて思いました。

旅の面白さは、きれいな景色を見ることだけではなく、その土地に残る文化や暮らしに触れることにもあるのだと。

男鹿半島を訪れるなら、なまはげ館はぜひ立ち寄ってほしい場所です。
きっと、なまはげの見方が少し変わると思います。

その他、男鹿半島の見どころも沢山ありますので、後日、他の観光地もご紹介する予定です。

10男鹿半島観光情報

男鹿真山伝承館

オフィシャルサイト

後藤ようこ

執筆者:後藤ようこ

後藤 ようこ取締役副社長

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  • ランディング(執筆)
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  • コンサルティング

大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。

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