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後藤ようこ

執筆者:石川浩子

カスハラ対策ポスター無料配布【無料ポスター】離職を防ぐ「カスハラ対策」の第一歩。今すぐ使える掲示ポスター2種

  • 2025年12月09日
  • ノウハウ

<記事の概要>

従業員を守るカスハラ対策は「ポスター掲示」が効果的。理不尽な要求を抑止し、企業姿勢を可視化するデザインの重要性を解説します。すぐに使える無料ポスター(顧客用・従業員用)も配布中

1厚生労働省の定義と、企業が今すぐできるカスハラ対策


近年、社会問題化している「カスタマーハラスメント(略:カスハラ)」。 理不尽な要求や暴言は、現場スタッフの心を深く傷つけるだけでなく、企業の安全配慮義務も問われる重大なリスクとなっています。
このブログでは、厚生労働省の定義に基づく具体的な判断基準と、今すぐできる対策について解説します。
私たちが提案するのは、単なるルールのご紹介だけではありません。「デザインの力」を活用して対策を可視化し、業務環境そのものを改善するアプローチです。


カスハラ対策として、すでにマニュアルを整備している企業や、朝礼・ミーティングで話し合っている企業も多いでしょう。

しかし、いざ現場に立つと、概念だけのルールは「記憶に残りにくい」ものです。
たとえば今日、アルバイトの面接に来た方にいきなりマニュアルを見せて、「これが当社のカスハラ対策です」と説明して理解させるのはなかなか難しいですよね。他に教えないといけない優先順位もありますから、余裕がないと指導も行き届きません。


そこで効果を発揮するのが「一目で伝わるポスター」です。 本記事では、皆様がすぐに現場で活用できるよう、対策ポスターのデータを無料で配布しています。

なぜポスターなのか? その理由はシンプルです。 もし店舗の入口や休憩室に1枚のポスターが掲示されていれば、
「この会社はしっかり対策している」
「従業員が守られている職場だ」と、
言葉を交わさずとも伝わる──それが、デザインの力なのです

私たちデザイン会社がこのポスターを制作・配布する目的もまさにそこにあります。
企業が築いてきたルールや姿勢を「見える化」する支援として、カスハラ対策のメッセージをビジュアルで伝えることが、私たちの役割だと考えています。

▼参照元
※本記事は厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に作成しております。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf

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2カスタマーハラスメントとは?企業と従業員を“脅かすリスク”

ここ数年で「カスハラ」という言葉が急速に浸透しました。
SNSなどでの拡散や炎上を恐れる企業が増え、顧客対応の最前線に立つ従業員が、理不尽な要求や暴言に日常的にさらされるケースが増えています。
厚生労働省の令和5年度調査によると、「カスハラの相談が増えている」と回答した企業は全体の過半数にのぼり、飲食・小売・サービス業では特に深刻化が進んでいます。単なる「苦情・クレーム対応」では済まないケースが多く、従業員の精神的ストレス・離職・職場崩壊へとつながるリスクが高まっています。

【厚生労働省の定義】

顧客等からのクレーム・言動のうち、要求の内容の妥当性に照らして、手段・態様が社会通念上不相当なものであり、その結果、労働者の就業環境が害されるもの。

この定義の中で重要なのは「社会通念上不相当」という部分です。
つまり、要求そのものが正しくても、その伝え方や態度が不当であればハラスメントに該当するという点です。
企業がカスハラ対策を怠ると、顧客との関係悪化だけでなく、採用・定着・ブランドイメージにも影響を及ぼします。


なぜ企業が対策すべきか

カスハラ対策は、従業員を守るためだけではありません。
社会的な信頼を維持し、長期的な経営を安定させるための“リスクマネジメント”と“企業文化づくり”でもあります。

  • 従業員への心理的安全性の確保
    →「会社が守ってくれる」という信頼がモチベーションを高め、離職を防ぐ。
  • 顧客への誠実な印象づけ
    → 対策を掲示することで、企業としての姿勢が明確になり、クレームの質が変わる。
  • 採用・定着への好影響
    → 求職者が「従業員を大切にする会社」と感じ、働くモチベーションが向上する。

ココがポイント!

カスハラ対策は「防御」ではなく「信頼を築く経営姿勢」。
そして、それをわかりやすく伝える手段こそが、デザイン=ビジュアル化なのです。

3カスハラの具体例と判断基準

要求の「妥当性」と「手段の適正さ」で考える

具体的にどういう基準でハラスメントをいえるのかをご紹介します。
カスハラを判断するには、「要求内容の妥当性」×「手段・態様の適正さ」の2軸で考えることが重要です。
どちらか一方でも逸脱していれば、ハラスメントに該当する可能性が高まります。
以下は厚生労働省の事例をもとに、特に現場で多い行為を整理したものです。

カスハラ行為の多くは、当事者に「自覚がない」ことが特徴です。
「お客様の権利」を主張しすぎて、相手の尊厳を損ねてしまうケースが後を絶ちません。

消費者側への啓発:意見の伝え方3ステップ

企業側の対応力だけでなく、消費者自身の意識も変えていく必要があります。
カスハラ防止のためには、次の3つのポイントが有効です。(参照元:消費者庁より

  • 感情的になる前に深呼吸する
    → 冷静さを保つだけで、トラブルの大半は回避できます。
  • 伝えたい内容を整理し、具体的に話す
    → 「なぜそう思うのか」を説明すれば、相手も受け止めやすくなります。
  • 相手の説明を最後まで聞く
    → 双方向の理解が進むと、クレームは「建設的な意見交換」に変わります。

ココがポイント!

カスハラ防止は、顧客・企業双方の努力で成り立ちます。
「感情ではなく、対話で解決する」意識が大切です。

4私たちが考えるカスハラ対策ポスター

店舗でも社内でも、すぐ掲示できるカスハラ対策ツール

現場での対策を進めるうえで最も手軽で効果的なのが、“見える化”=ポスター掲示です。
企業としての姿勢を外部にも内部にも伝えることで、トラブルの抑止と安心感の醸成が同時に進みます。
一方で、啓発ポスターのデザインは意外と繊細です。伝えたい正義が、時に過激さとして誤解されてしまうリスクもあります。
「これは駄目!来店お断り!」と強気な意思表明もかえって、本来の意図を伝えきれないまま、溝は深まるばかりです。

また最近では、啓蒙を目的とした公共ポスターがSNS上で「一部の人を軽視している」「不快な演出」と受け取られ、炎上する事例も見られます。

私たちはこの点を強く意識し、過激な演出や刺激的な表現は控えつつ、企業や店舗のブランディングを損ねないことを最優先にしました。
そのうえで、見る人が瞬時に理解できるよう、要点を端的に伝えるビジュアル設計を行っています。

また、実際の運用を考慮し、自社のプリンターで出力しても負担が少ないよう、インク使用量を抑えた配色を採用しています。(背景が全面カラーのデザインを避ける)
「導入しやすく、誤解されにくく、長く使える」ことを重視したポスターデザインです。

ココがポイント!

啓蒙ポスターは“伝え方”を誤ると炎上リスクを伴います。
刺激ではなく誠実さで伝えることが、企業ブランディングの一部です。顧客向け・従業員向けの2枚セットで、現場と企業の信頼を一緒に育てていきましょう。

厚生労働省でもカスタマーハラスメントの啓蒙ポスターを配布しています。

厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24317.html
各都道府県や団体・協会においても作成して無料で配布しているところが増えているようですので、色々探してみるのもおすすめです。

ちなみに群馬県がWEBで公開している「カスタマーハラスメントの防止について」は配布資料も充実していて、とてもわかり易く、情報伝達としてとても素晴らしいなと勉強させていただきました。
参考:https://www.pref.gunma.jp/page/655164.html

5【無料ダウンロード】対策ポスターはこちら

【顧客向け】ポスター(店舗掲示用)

【目的】不当要求の抑止と、迷惑行為の意識付け。

    主な特徴:

  • 迷惑行為の具体例を箇条書きで明記(暴言・拘束・不当要求・SNS拡散など)
  • 柔らかいデザインで、顧客を“責めない”トーン
  • 掲示場所 ▶ 入口・レジ前・サービスカウンター・待合スペース

デザインのポイント

カジュアル案は、親しみやすい書体で威圧的なメッセージになり過ぎないようにしています。また、特定の人物などをイメージされないようにあえてイラストによる状況説明は無しにしています。

フォーマル案は、社内の雰囲気を損ねないように装飾や色を抑えたデザインです。高級店舗や公共施設などあらゆる場面で邪魔をしないシンプルな設計にしました。



【従業員向け】ポスター(バックヤード用)

【目的】現場スタッフの判断・行動を支援し、“孤立対応”を防ぐ。

    主な特徴:

  • カスタマーハラスメントに遭遇したらとるべき対処を明示
  • 正当なクレームと迷惑行為を区別
  • 掲示場所 ▶ 休憩室・更衣室・バックヤード・事務所入口


デザインのポイント
両案とも、従業員がとるべき端的な対処を明示。「迷ったら相談」という社内で共通認識をもたせることを目的としています。

スタッフさんがひそかに疑問に感じているココロのモヤモヤに気づきを与え、誰かに相談してもらうことで、ストレスを抱え込まないようにしていきましょう。


【利用規約】
※社内や店舗でご自由にお使い下さい。商用OKです。事前報告は不要です。
※再配布や二次利用(例:アレンジして誰かに売る)はお控えください。

6導入・運用のチェックリスト

ポスターは「掲示」がゴールではありません。
日常的な共有と定期見直しをセットで行うことで、現場の安心感が維持されます。
是非参考にしてみてください!

導入時に行うこと

  • 店舗・オフィス・バックヤードへ掲示
  • 全スタッフに対応基準を共有
  • 「対応できなければ責任者へ」等のルールを明確化
  • 毎月のミーティングで事例を共有・改善

導効果測定のポイント

  • クレーム対応時間の短縮率
  • 暴言・拘束トラブルの発生件数の推移
  • 従業員アンケートによる心理的安全性を保つ

定着させる工夫

  • 月1回の“想定対応ロールプレイ”を実施
  • エスカレーションルートを可視化(社内掲示)
  • 定期的に厚労省の最新資料を確認

ココがポイント!

対策は「掲示して終わり」ではなく、「運用して根付かせる」0こと。
過剰なクレームな許すべきではないですが、何か不満があったから発展したこともゼロではないはず。現場の声を拾いながら、少しずつ改善していきましょう。

7 まとめ:ポスターは宣言であり、約束でもある

カスタマーハラスメントへの対策は、企業と顧客の信頼関係を再構築する活動です。
顧客には「気持ちよく利用できる環境」を、従業員には「安心して働ける職場」を。その第一歩が、ポスター掲示というシンプルな手段です。企業としての誠実さを表すメッセージを、ぜひ職場から発信していきましょう。

後藤ようこ

執筆者:石川浩子

石川 浩子チーフデザイナー

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