

執筆者:後藤ようこ
ホームページ制作のコツ【保存版】知っていれば失敗しなかった!ホームページ見積もりトラブルを防ぐためのチェックリスト
- 2025年08月26日
- ノウハウ

執筆者:後藤ようこ
後藤 ようこ取締役副社長
スキル
- ランディング(執筆)
- ディレクション
- コンサルティング
大学病院で看護師として働いたのち、看護教員の資格を取得し看護教育に携わりました。
現在は株式会社ノーブランドの取締役としてウェブサイトやパンフレット制作のディレクションを担当しています。(ディレクションは20年以上の経験を持ちます。)
また、医療系の出版社で医療記事の連載をした経験があります。医療記事をはじめ、販促物に掲載する原稿作成(ライティング)も担当しています。医療知識を持っているため、医療、介護、福祉関係のお客様が多いです
これまで学んできた、教育学、人間関係論、心理学などの知識を活かし、販売促進に関わるコンサルティングも行っています。
<記事の概要>
ホームページ制作の見積もりでトラブルになるケースは少なくありません。事前にチェックしておけば防げる問題が多いので、今回は“見積もり時に必ず確認すべきポイント”をまとめました。目 次
1知っていれば失敗しなかったのに・・・
急なお葬式では十分な相見積もりができず、想定以上に価格が高くなってしまうケースが多く、社会問題になっているそうです。
それを見て「たしかにそうだよな」「価格相場がわからなければ判断ができない」と共感しました。急な出来事ではなおさら冷静な判断は難しいものです。
同時に、こうした問題はお葬式に限らず、どんな業種にも当てはまるのではないか、とも感じました。
私たちのようなデザイン・制作業者も同じです。
特にホームページ制作の現場では、専門的な事柄が多く、一般の方には理解しにくいものばかり。説明を受けても専門用語が多くて結局よくわからない…ということも珍しくありません。
わかりにくい見積もり内容をスッと理解できるように整理しています。
本記事は保存版です。
ぜひブックマークして、これから制作会社に見積もりを依頼する際の参考にしてください。
2まず、見積もりをとる前の心構え
一部にはテンプレートデザインも存在しますが、テンプレートをベースにしても、写真・色・レイアウトの調整によって、仕上がりの雰囲気は大きく変わります。結果的には「ほぼオリジナル」といってもよいでしょう。
だからこそ、見積もりを依頼するときにはチェックポイントを明確にしておくことが大切です。
オーダーメイドであっても、ホームページ制作に必要な基本項目はほとんど共通しています。
そのため、見積もりをとる際には、あらかじめ制作項目を揃えたうえで、複数の制作会社に依頼して比較するようにしましょう。
3チェックポイント1:CMSで作るか、HTMLで作るか
この選択によって、更新のしやすさ・保守のしやすさ・将来の拡張性が大きく変わります。
CMS(WordPressなど)で作る
特に、WordPressは、世界的に使われているCMSです。多くの制作会社が対応可能です。
WordPressの大きな特徴は、自社内で簡単に更新・修正ができること。
さらに、プラグインを使って機能拡張ができるため、非常に動きのあるホームページがつくれます。
もちろん、SEOに有利な仕組みも豊富です。
静的HTMLサイト
HTMLサイトは、オーソドックスな作り方です。
CMSではないので、自社で更新することはできませんが、シンプルで表示速度が速く、セキュリティリスクも低いです。
ただし、更新のたびに専門知識や制作会社の対応が必要なので、若干の煩わしさがあります。
ページ数が少ないコーポレートサイト向きです。
最近では、ほとんどの企業サイトは WordPressなどのCMS で作られています。
一方で「更新頻度がほとんどない」「シンプルでいい」という場合は、静的HTMLのほうが適していることもあります。
CMSとは:
CMSとは Content Management System(コンテンツ管理システム) の略で、ホームページの文章や画像を「専門知識がなくても」簡単に更新・管理できる仕組みのことです。
代表的なものは WordPress(ワードプレス) で、世界中のWebサイトの約4割がWordPressで作られています。
本ブログでは、更新や運用のしやすさから、CMS(特にWordPress)での構築を推奨しています。
4チェックポイント2:ドメインとサーバの契約
この2つが「誰の名義で契約するのか」を必ず確認しましょう。
まれに、ドメインもサーバーも制作業者名義で契約されているケースがあります。
その場合、サービス契約を解約すると同時に、ドメインもホームページも使えなくなってしまう契約になっていることがあります。
そうなると、これまで積み上げてきた ホームページの財産(アクセス・SEO評価・ブランドURL) が一瞬にして失われてしまいます。
ドメインとは:
『ドメイン』とは、簡単に言い換えれば、インターネット上の住所。
『ドメイン』とは、『www』の後ろの部分を言います。世界にひとつしかないユニークなもの。
一度決めて取得すると、原則として途中で変更はしません。
会社名やサービス名に近いものを取得すると信頼性が高まります。
サーバーとは
サーバーとは、ホームページのデータを入れておく箱のようなものです。
インターネット空間でたとえるなら、土地にあたります。
ホームページを公開するためには、このサーバー(データを保管する場所)が必ず必要です。

サーバーがなければ、住所(ドメイン)があっても建物(ホームページ)を建てることはできません。
本ブログでは、ドメインとサーバーはお客様自身が契約し、権利ごと保有することを強く推奨しています。
自社名義で管理しておけば、制作会社を変更しても安心してホームページを運用し続けることができます。
5チェックポイント3:SSL証明書(セキュリティ)
ホームページと利用者との通信を暗号化し、入力された情報(名前・住所・クレジットカード情報など)を安全に守ります。
なぜSSLが必要なのか?
URLが「http://」のままだと、ブラウザに「保護されていない通信」と表示され、ユーザーが不安を感じる。
Googleも常時SSLを推奨しており、検索順位評価の要素のひとつとされている。
ショッピングサイトや問い合わせフォームはもちろん、企業のコーポレートサイトでもSSLは欠かせない。
SSLには、Let’s Encryptのような無料のものと、年間数千円〜数万円ほどかかる有料のものがあります。一般的な企業サイトであれば無料のSSLで十分ですが、どちらを推奨しているかは制作会社に必ず確認すると安心です。
また、SSLは無料・有料にかかわらず定期的な更新が必要です。更新や有効期限の管理を「誰が行うのか」、あるいは「サーバー契約と連動して自動更新できるのか」といった点も重要な確認事項になります。
⇣ Xサーバなどでは無料SSLが使えますのでおすすめです。


6チェックポイント4:デザイン制作(見た目の設計)
ホームページのデザインは、基本的にオーダーメイドで制作されます。
ただし、制作会社によってはコストを抑えるためにデザインテンプレートを用意している場合があります。
一方で、オーダーメイドのデザインは自由度が高い分、どうしても「主観的な違い」が出やすくなります。
そのため、
といった点を必ず確認しましょう。
実績ページやポートフォリオを見て、自分の会社のイメージに合うかどうかを判断することが大切です。
7チェックポイント5:コーディング(デザインをWebにする工程)
HTML・CSS・JavaScriptなどを使ってデザインをブラウザで再現し、スマホやPCで見られる形に仕上げていきます。
コーディングは必要なページ数ごとに作業が発生するため、見積書にはページ数に応じたコーディング料金が提示されます。
その際には、1ページあたりのコーディング料金がいくらなのかを確認しておきましょう。
さらに注意したいのは、1ページの定義です。
ホームページは縦に長い構造をとることが多く、内容が多すぎる場合には「1ページ」ではなく「2ページ」「3ページ」とカウントされ、追加料金が発生するケースがあります。文章量や構成をもとに、どこまでを1ページとするのか、あらかじめ確認しておくと安心です。
また、コーディングでは以下の点も確認しておきましょう。
Chrome・Safari・Edgeなど主要ブラウザで正しく表示されるか
不要なコードを入れず、ページ表示を軽く仕上げているか(SEOにも直結)
WordPressなどを導入する場合、管理画面が使いやすく、デザイン通りに反映されているか
8チェックポイント6:レスポンシブデザイン
今やインターネット利用の大半はスマホからのアクセスであり、さらにGoogle検索でも「モバイルファーストインデックス」が導入されているため、スマホ対応はSEOの評価にも直結します。
かつてはスマホ専用サイトを別に作る方法もありましたが、その場合は更新や管理コストが2倍かかるというデメリットがありました。
見積もりを確認する際は、レスポンシブ対応が標準で含まれているかを必ずチェックしましょう。
9チェックポイント7:基本的なSEO対策
そこで欠かせないのが、基本的なSEO対策(検索エンジン最適化)です。
最低限、以下のポイントだけ確認しておきましょう。
ページごとに適切なタイトルや説明文を設定することで、検索結果でのクリック率に直結。
検索エンジンがサイトの構造を正しく把握できるようにする仕組み。
アクセス数や検索流入の分析に欠かせないツール。
SEOは一度作って終わりではなく、公開後の改善にも関わってくるため、最初の設定がとても重要です。
10チェックポイント8:ファビコン設定
一見すると小さな要素ですが、あるかないかでホームページの印象は大きく変わります。
ただし、ファビコン設定は見積もりに含まれていない場合も少なくありません。
公開後に「設定がされていない」と気づくケースもあるため、必ず見積もり時点で確認しておきましょう。
11チェックポイント9: OGP設定(SNSシェア時の見え方)
OGP設定がないと関係のない画像が出たり、日本語が文字化けしたりして、SNSでの訴求力が落ちてしまいます。
逆に、正しく設定すれば見栄えがよくなり、クリック率やブランドイメージの統一にもつながります。
見積もりに含まれていないことも多いので、必ず確認しておきましょう。
➡OGP設定について、詳しくはこちら
12チェックポイント10:Google reCAPTCHA(スパム対策)
Googleアカウントを持っていれば無料で利用できるため、導入のハードルは低く、セキュリティ強化には欠かせません。
ホームページ内にコンタクトフォームを設置する場合は、reCAPTCHAの導入は必須です。
見積もりの段階で「Google reCAPTCHAの設定が含まれていますか?」と必ず確認しておきましょう。
➡Google reCAPTCHA(スパム対策)について、詳しくはこちら
13チェックポイント11:Googleアナリティクス(アクセス解析ツール)
Googleアカウントを持っていれば無料で利用でき、アクセス数、流入経路、閲覧ページなどを詳細に確認できます。
導入には、ホームページに計測タグを設置する作業が必要です。
これは制作業者に依頼する必要があるため、見積もりに「Googleアナリティクスのタグ設置」が含まれているかを必ず確認しておきましょう。
アクセス解析はホームページの運用に欠かせません。公開後の改善やSEO対策の基盤となるため、最初の段階でしっかり準備しておくことが大切です。
➡Google アナリティクスについて、詳しくはこちら
14チェックポイント12:コンタクトフォーム(お問い合わせフォーム)
ホームページからメールでの問い合わせを受けるために必要なのがコンタクトフォームです。
WordPressでは「Contact Form 7」というプラグインを使って設置するケースが多く見られます。
コンタクトフォームは、ユーザーとの接点をつくる最も重要な機能のひとつです。
そのため、以下の点を必ず確認しておきましょう。
15チェックポイント13:カレンダー機能
カレンダー機能とは、イベント、診療日、セミナーなどを公開できる便利な機能です。
WordPressの場合はプラグインを利用して設置することが多く、営業日カレンダーなどを簡単に追加できます。
ただし、実装方法にはいくつか種類があります。
それぞれで手間や費用が異なるため、どの方式で実装するのか、見積もりに含まれているかを必ず確認しましょう。
WordPressの場合、プラグインのカレンダーでも高機能なものが多く、十分実用的です。
ただし、「どのような内容をカレンダーに載せたいか」を打ち合わせたうえで、実装方法と見積金額を確認することをおすすめします。
16チェックポイント14:フォトギャラリー機能
フォトギャラリー機能は、施工事例や商品写真などを一覧で表示できる機能です。
写真を活用することで、視覚的にわかりやすく、信頼感のあるサイトに仕上げることができます。
見積もり時には、自社で簡単に写真を差し替えられるか、表示形式(一覧・スライド・拡大表示など)に制限はないかなど希望も含めて確認しましょう。
また、写真投稿時のレイアウトやスタイルについて希望がある場合は、事前に制作会社へ伝えて見積もりに反映してもらうことをおすすめします。
17チェックポイント15:イメージスライダー(画像スライドショー)
複数枚の画像を自動でスライド表示したり、動画を埋め込んだりすることで、静止画よりも動きが出て訪問者に強いインパクトを与えることができます。
ただし、動きが多すぎるとページの表示速度が遅くなるデメリットもあるため、必要性や使い方については制作会社と相談しながら検討しましょう。
また、公開後に写真や動画を差し替える場合、自社で簡単に入れ替えられる仕様になっているかといった運用面も必ず確認しておくことをおすすめします。
18チェックポイント16:原稿作成(ライティング)料金
ホームページに掲載する文章(会社紹介・サービス内容・商品説明など)は、誰が原稿を作成するのかによって見積もり金額が変わります。
依頼者が原稿を用意する場合
制作費には含まれないが、時間と手間が大きくかかる。文章のクオリティも課題になりやすい。
制作会社がライティングを行う場合
オプション料金が発生することが多い(1ページ数千円〜数万円程度)。
専門ライターが書く場合は読みやすく、SEOを意識した文章に仕上げてもらえるメリットがある。