

執筆者:後藤ようこ
失敗を恐れすぎる日本人
- 2016年02月15日
- コラム
ITバブルの頃から「なぜ日本からGoogleやAppleのような企業がうまれないのか?」と言われ続けています。
確かに昔から革新的な商品やサービスが日本から生まれることは少なく感じます。
技術では世界をリードすることが多くても、そのほとんどは何かの発展形や応用形のように思います。
決してそのことが悪いとは思いませんが、一人ひとりが少し保守的すぎるような気がします。
例えば日本の流行はマスコミが作っています。例えその商品がほどほどの商品でも、テレビで紹介されれば売れてしまいます。
「こっちの商品が良さそうだけど、みんなはこっちを買ってるから」と周りの状況に大きな影響を受けます。 日本人のこの特性は、「移ろいやすい」との表現で江戸時代から海外の人に指摘されているようです。
その心理には「失敗をしたくない」の思いがあります。
もちろん誰でも失敗はしたくはありません。
しかし、ビジネスでは失敗を恐れていては始まりません。
ユニクロの社長柳井氏の本に「1勝9敗」という本があります。このタイトルには共感できます。
チャンスはどこに転がっているか、やってみなければわかりません。立ち上がることの出来ないほどの失敗は許されませんが、立ち上がることの出来る失敗は恐れずにチャレンジすることが重要で、チャレンジの数だけ成功の可能性が高まるはずです。
このチャレンジは、会社経営などの大きなことでなく小さなことでも重要です。
例えば宣伝方法でも、Web、ブログ、Twitter、Facebookなどの媒体も周りの企業や風潮を見てばかりいませんか?「Facebookってやったほうがいいの?」などと言っている間に、先行してチャレンジしている会社は利益を生み出し、様子を見てから始めた人は決断が遅すぎてもう追いつけません。 なんとなく聞いていたし、良さそうとは思っていたんだけど、決断は先延ばし。
このコラムを読んで「なるほどね」などと思っても、これといった行動には移さない。など思い当たりませんか?
先日、テレビ番組の中で囲碁棋士の方がこんな発言をしていました。
『常識的な手を選択していれば、大きなミスにはならないが、最善手を100点とするならば、常識的な手は90点。それを積み重ねるうち、形勢が入れ替わるのが勝負の世界だ。たとえその一手によって勝負を落としてしまっても、積極的に未知の局面に踏み込んで行き、リスクを引き受ける。』