

執筆者:後藤ようこ
国立競技場のはなし
- 2016年09月14日
- コラム
先日からバタバタしている国立競技場建設の問題。国民も政府もなかなか頭が痛いものがありますね。どこに問題があったのか、これからどうすればベス トなの かは、実際に関わっている現場の方々しか分からない事ですので、これに対して、あれやこれやコメントするのは適切ではないのでコメントは控えます。
ただ、「デザイン」と「建設費」と「予算」の、この3本柱をめぐる問題は、自分たちの見に置き換えて考えても、改めて考えされられるものがあったので、それらについて投稿してみます。
「デザイン」⇒クリエイティブ
「建設費」⇒制作費
「予算」⇒(お客様の)予算
私達の仕事に置き換えると、このように割り当てられます。
厳密に言えば、最初の「デザイン」については、クリエイティブだけでなく、そもそもどこまで機能やオプションを加味するか?という提案部分も含まれます。
クリエイターが自由きままに、予算を度外視し、青天井でデザインして、あとから高額な見積書を提示する、なんて事はリアルなビジネスの現場ではありえません。
提 案する側(つまり、我々)は、出来る限り効果の出やすい、最大限の機能やオプションを盛り込んだ方が良いと思いますが、そうすれば、いわゆる「建設費」 にあたる制作費がかさむことは当然の事です。だからこそ、お客様が想定されているご予算の範囲内で、最大限の効果を発揮できる提案をするわけです。
実は、ここがディレクターの能力の腕の見せ所。
限られたご予算の中で、必ず必要なものと、いずれは盛り込むが今は盛り込まないもの、などを取捨選択してお客様に提案するわけです。そこには、必ず、現実的な「予算」があります。当然の事ですよね。
予算が青天井で、どこまでも提案してもいいなら楽なんですけどね。(笑)
でも、時々、「予算は特に決めてない」というお客様にもいらっしゃいます。
しかし、この場合も同じです。全く不必要なもの(当面必要ではないもの)については、当然ながら盛り込みません。予算が潤沢な場合でも、『必要なものに必要なだけ提案する』、というコンセプトはぶれないよう、日々の業務に取り組んでいます。
今回の件で、デザインと制作費、ご予算の関係を改めて考えさせられました。
カスタマーファーストの観点から、いつもクリエイティブに取り組むことが必要だと考えさせられます。