

執筆者:後藤ようこ
横浜デンタルショーと、歯科医院の集患とブランド戦略
- 2018年01月18日
- コラム
※本コラムは、当社の顧客へのメールマガジンの内容を一部編集して公開しています。
横浜デンタルショーと、歯科医院の集患とブランド戦略
先日、当社の営業活動の一環として『横浜デンタルショー』に出展させていただきました。
横浜デンタルショーサイトはこちら
『横浜デンタルショー』は今年で第47回目。
毎年秋に開催される東京デンタルショーから間もない開催なので、東京と比べると、若干、静かな開催にはなるようですが、毎年10,000人ほどがご来場される展示会です。
今回、私ども株式会社ノーブランドは、歯科医院の安定経営のための『ブランド戦略』というテーマでブースを出展いたしました。当社は、ウェブサイト作製やパンフレット、かタログ、名刺制作などを生業とするデザイン制作会社ではありますが、今回は『歯科医院のブランド化』という提案を掲げてアナウンスすることにしました。
おそらく、多くの歯科医院の先生方は『歯科医院のブランド化』という言葉には、あまり興味・関心がなかったかもしれません。もちろん、普段からアンテナを広げていらっしゃる先生は、周知の事と思いますが、会場でご説明させていただいた限りでは、やはりあまりピンときていない先生がほとんどだったと思います。
当然のことながら、無理もありません。
すでに、一般企業の中では『中小企業のブランド化』が注目されているのですが、この考え方は医療まで進展していないからです。それでは、なぜ、当社がこのような事を掲げたか、その理由を簡単にご説明いたします。
私たちは『中小企業のブランド化』のお手伝いをする会社
当社は、創業より20年という長い時間、様々な独自の戦略で販路を開拓してきた中小企業です。通常、小さなデザイン会社が事業を継続するためには、大手広告代理店の下請け・孫請け業務をしながら仕事を請けるビジネスモデルが主流です。しかし、その大原則のセオリーを私たちは無視し、創業当時から『脱・下請け』で事業を継続してきました。
独自の販路開拓と宣伝広告戦略で仕事を受注してきたわけですが、もちろん、その戦略は紆余曲折をし、一筋縄ではいかないものばかりでした。トライアンドエラーを繰り返し、やれることは迷わず試してみることと、失敗は必ず評価(アセスメント)して、次に活かすということをひたすら繰り返してきました。
ただ、これらの営業戦略の中に、創業当時からブレない一本の柱があります。
それが、当社はただの制作会社ではなく『売上アップ』に貢献し、結果を出すための販促ツールを提供するデザイン会社というスタンスです。
専門のコンサルタントさんであれば『売上アップ』を語るのは当たり前ですが、デザイン制作会社が『売上げアップ』を語るというのは、創業当時はとても珍しかったようです。
ウェブサイトやパンフレット、カタログ制作に『売上アップ』がどう関わるかという視点は、一般の方々にはなかなかご理解いただけなかったのですが、時代の流れでしょうか?
こんな私たちのPR方法も、大分浸透してきたように感じています。これらのウリ文句を他の制作会社も使うようになってきたからです。よって、一般の中小企業では、販促ツールの作製=売上アップという構図が当たり前になってきたように思います。
また、私共が柱にしてきた考え方がもう一つあります。
それが、中小企業のブランド化です。当社の社名は『ノーブランド』といいます。横浜デンタルショーでも、この『ノーブランド』という社名には多くの先生方に関心をもっていただきました。この機会にもう一度社名の由来について説明しておきます。
株式会社ノーブランドという社名には、『私たちはお客様のブランドを作る企業であり、自分たちのブランドは要らない』という意味が込められています。自分たちのブランド構築よりも、クライアントのブランド構築のお手伝いをするのが先なのです。私たちのビジネスモデルには、すべての中小企業のブランド化のお手伝いをしたいという思想が流れています。
この視点は、最近コンサルタントさんも語られているようです。先日読んだ『だれかに話したくなる小さな会社』という著書には(浜口隆則氏著)、私たちと同じような考え方がまとめられていました。これを読んだ時に、『ようやく社会がついてきたな』と思わず思ってしまいました(笑)。詳しくは当社オフィシャルサイトの「販促のネタ」にコラムでレビューを書いていますので御覧ください。
小さな会社こそ、ブランドを作れ!〜著書:だれかに話したくなる小さな会社〜
困ってからでは遅すぎる営業強化
それでは、話を元にもどし、歯科医院のブランド戦略について簡単にご説明いたします。
私たちは、医療機関にもブランド戦略が必要だと思っています。
これから、どんどん少子高齢化が進み人口が減っていきます。すでに生産年齢人口は減っています。コンビニよりも多いと言われる歯科医院の数に大きな変動がなければ、自然に競争に飲み込まれていくでしょう。
そして、何よりも注目したいのは、インターネットの普及です。
一昔前は高齢者層はネットなど見ないと言われ、シニア層をターゲットとしているサービスを展開している企業は、あまりネット戦略を強化してきませんでした。
今はどうでしょうか?
シニア層は軽々とインターネットやスマホを使いこなし、ネット社会は若者だけのものではなくなりました。私たちは、昔からずっとそれを言い続けてきましたが、断固としてウェブサイトを立ち上げてこなかった経営者様も多くいらっしゃいました。
何事にも共通することですが、後からでは遅いのです。
誰よりも早く着手しなければ、多くのメリットの恩恵は受けられません。
例えば、こんな事例もあります。ウェブサイトのアクセスアップにブログ記事を充実させたほうがよいというSEO戦略があります。これは数年前から言われていた事で、私共も、お客様に勧めてまいりました。私共の提案を受け入れてくださった方は、きちんとメリットを享受されています。しかし、もう、この考え方が多く広まった今、今始めてもその効果は半減しています。誰もがやりはじめたら、そのメリットの享受は半減するのです。
だから、後からでは遅いのです。
数年先の事を考えて会社の経営にテコ入れをする。
これが経営における販売促進の大原則です。
これらを踏まえ、私たちは歯科医院のブランド戦略をできるだけ早く始めるべきだと考えています。
歯科医院のブランド戦略とは
歯科医院のブランド戦略といっても、非常に抽象的でイメージが伝わりにくいと感じられるのは当たり前だと思います。
『ブランド』という言葉から想像できるのは、ルイヴィトンやメルセデス・ベンツなどの高級商材を販売している企業や、ソニーやトヨタなどのナショナルメーカーです。彼らは、日本全国民に対してブランド化を徹底しています。
しかし、中小企業のそれも、たいして相違はないと思います。
ただ、中小企業のブランド戦略で大事なのは、『自分たちがやっていることを正しくわかりやすく伝える』ことと、『多くの人々に好印象を与える』ことです。この2つに要約されます。
とかくビジネスでは、きちんと説明していなければやっていないことと同じ、と言われます。影でこんなことをやってあげている、実はここまで対応していると、企業側が心で思っていても、顧客にきちんと伝えなければやっていないことと同じなのです。
よって、必ず言葉や文字にして顧客に伝えることが重要です。これが、ブランド戦略の基本です。
そのためには、ウェブサイトやパンフレットにも、分かりやすく伝える文章力や表現力が必要です。ただし、医療側からの一方的な専門用語の羅列は逆効果です。人間は、分かりにくい事から避け、分かりやすい方に飛びつくのが基本です。だから、分かりやすいゴシップネタが炎上するのです。
上記の事を満たすだけでも、自然と目指すブランド化が見えてくるでしょう。
あと、もう一つ大事な事があります。『どんな顧客が欲しいか?』という事を明確に設定することです。企業側の発信スタンスと顧客層は写し鏡になっています。雑な発信をすれば、雑な情報を好む層が飛びつきます。理詰めで丁寧な説明をすれば、そういう理論的な議論が好きな層が飛びつきます。どんな顧客層に来院してほしいかを明確にして、その層にあった発信をすべきです。そしてその時には、あれもこれもと欲張るのは、かえってターゲットを見失います。
一つに決めたら、あまりブレずに真っ直ぐな発信に心がけるべきでしょう。
競争に巻き込まれないような経営
先に触れた『だれかに話したくなる小さな会社』という著書(浜口隆則氏著)にもありましたが、競合と戦わない経営を目指すのが理想だと考えています。
価格競争に巻き込まれれば、相手にあわせて、どんどん価格を下げざるを得ません。それはどこまでもどこまでも続き、デフレマインドは終わりがないのです。
しかし、顧客層に『この歯医者さんに頼みたい』という絶対的な信頼感が生まれた時、この競争から一つ頭が抜け出します。この『この歯医者さんに頼みたい』というマインドこそ、歯科医院のブランド戦略です。
良い治療をすれば患者さんは喜ぶでしょう。しかし、それが多くの人に伝わっていなければ、局所的な効果しか生み出せません。不特定多数の方々に知ってもらい、理解してもらい、メリットを感じてもらう。この連鎖が、歯科医院の安定経営を可能にすると考えています。
どうぞ、お気軽にご相談ください。